お知らせ : ページ 401

上げ下げ窓には、いろんなバランサーがある

今日、シングル・ハングと呼ばれる上げ下げ窓の開閉が出来ないから見て欲しいと言われて行ってきました。

輸入サッシのメーカーも不明とのことでしたので、どこかに何かないか見た処、ロックの部分に「Insulate」という文字がありました。結構お値打ちな樹脂サッシのメーカーだったので、このインシュレートという窓を採用されている輸入住宅は、全国でも多いように思います。

ただ、このメーカーの国内代理店は、数年前に撤退し、現在これを調達する国内ルートはなくなってしまったかも知れません。また、北米サイドでも、このメーカーはサーティンティードという会社に吸収されてしまいましたから、メーカー自体の存続も怪しくなってきています。

さて、話を不具合に戻しますが、開閉の不良はバランサー(バランスとも言う)と呼ばれる部品の欠落でした。この部品に付いているバネや糸を利用して建具を軽く操作出来るようにするのですが、これが経年劣化でなくなってしまったようです。

写真のように、窓枠に明いた穴に糸を引っ掛けてあったはずなんですが、切れてしまったのかなくなっていました。こういう部品は、おおよそ10年毎に交換が必要です。

ACANやヴァイスロイ(Viceroy)社のようなダブルハング用コイル・スプリングのものやアンダーセン(Andersen)社のように長い糸が上枠から下がっているもの、Insulate社、ジェルド・ウェン社、ミルガード社、Certainteed社のシングルハング用のように建具の脇に糸が顔を出しているものなど、窓のバランサーは、メーカーや窓の形式・大きさによって様々です。

お客さん自身が、自分で部品や取替方法を探すのは、至難の技でしょうね。経験を積んだ私たちなら、大丈夫です。相談をご希望の方はお問い合わせ下さい。他に相談先がないという場合は、出来る限り力になります。

尚、窓やドアの修理・メンテナンスの概要は、リペア&メンテナンスのページをご覧下さい。

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日本の奥様も背が高くなりました!

先日、割引通販サイトで、キッチン・シンクの水はね防止用のプラスチック・パネルが販売されているのを見つけた。シンクの手前側に吸盤で取り付けるというものだが、私には時代の変化を感じさせてくれる商品です。

国産のシステム・キッチンの高さは、30年前は80cmしかなかった。それが現在の標準の高さは、85cm。きっと、それでも高さが足りないという人が増えてきたんだと思う。

実際に、アメリカやカナダのキッチンと言えば、高さは91cm程度が一般的。85cmという高さは、北米ではあり得ない。勿論、最近は、国産のキッチンでも90cmという高さのものも選べるようになってきているが、それが標準という訳ではない。

だから、住宅メーカーの営業マンが、気を利かせて高さのことをお客さんに聞かない限り、この標準サイズが自動で適用されてしまう。

それでこんな商品が登場しているんじゃないかと推測している私です。

確かに日本女性でも背の低い人はまだまだいますが、そんな人でも90cmの高さに慣れてしまうと、腰の負担も少なく、意外と使えることに気付きます。当然、シンクの深い位置で洗い物をすれば、水が跳ねることも少なくて済みますから、こんなパネルが登場する機会も少なくなります。

もうそろそろ、私たちが施工する輸入キッチンのような使い勝手に換える時期ではないでしょうかねぇ。デザインや耐久性など、輸入キッチンに学ぶことは多いはずです。

私たちの考えや建築に共感され、施工を希望される方は、ご相談下さい。

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マリーン・リゾートは、これからのインテリア・トレンド?

いいですねぇ、この開放感。いいですねぇ、この明るさ。シンプルな中に、楽しさや豊かさを感じさせるデザインは、昔見たヘミングウェーの映画のイメージじゃないでしょうか。

まあ、日本で言えば、海の家ということになるんでしょうが、洗練された雰囲気は、やっぱりフロリダのマリーン・リゾート。

開放的な全面窓のダイニング・キッチンは、地震国の日本では難しいでしょうが、ストレスを感じさせない場所に補強の壁をいくつか配置することで、これに近いデザインを実現出来る気がします。

敢えて天井を張らないで、2階の床下地を表しにすることでワイルド感を出しています。木材に少し割れが入っているのもカッコいいですよね。(これを不具合と言ってクレームするようでは、こんな暮らしは出来ませんが・・・)こういうデザインは、2階の足音が気になるなんて、野暮を言う人にも向かないかも知れません。

使い古されたダイニング・テーブルは、私が子供の頃の理科の実験室にあったような感じです。こういうのを見つけてくるのは難しいようにも思いますが、アメリカでは新品をアンティーク風にして売っていたりしますから、意外と探せるかも知れません。

ダーク・グリーンのキッチン・・キャビネットは、この真っ白な空間にはバッチリ合いますね。窓の向こうには、サンルームのような空間も広がっていて、外の景色をうまく取り入れる工夫がなされています。

素朴な電灯も、ハーバーの雰囲気がありますねぇ。きっと、夜の景色も素敵だと思いますよ。

マリーン・リゾートは、北米ではトレンドになりつつありますが、日本でも先進的なデザインを取り入れたいという皆さんには、新鮮だと思います。ただ、本格的にこうしたデザインを実現するのであれば、北米の暮らしを知り尽くしたビルダーを探しましょう。

中国製のように真似するだけでは、本物の素材やデザイン・センスをうまく取り入れることは出来ません。それは、全てに於いて緻密に計算された空間だからです。こうしたデザインの建築をご希望の方は、ご相談下さい。

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正しい石膏ボード張りは、縦に目地を揃えない!

愛知県半田市で施工中の輸入住宅、K邸のドライウォール工事の様子です。

奥の壁に立て掛けてあるのが、私たちが通常使う縦4フィート(1.2m)、横8フィート(2.4m)の石膏ボード。一般的なビルダーさんでは、縦3フィート(0.9m)、横8フィート(2.4m)のものを使います。

大きなボードを使うのは、出来るだけボードの数を減らして相対的につなぎ目を少なくするという意図があるんです。つなぎ目は、地震等で家が動いた際に割れる危険が最も大きいので、そういうリスクを極力減らさなければいけません。

勿論、人間が腕を伸ばせる幅からすれば、小さな石膏ボードの方が取り回しもしやすく重さも軽いですから、施工は楽ですよね。

将来に亘る美しさを選択するか、施工性を選択するか。それは住宅会社の判断に依りますが、私たち ホームメイドはお客さんへのメリットを選択します。

また、ご覧頂くように、石膏ボードを横長に張って天井から床まで縦に一直線で目地が入らないような施工をしています。これも、住宅に掛かる重みでどこかの壁が下方向に押される時、そこに一直線で目地が通っていると、クラック(割れ)を起こす原因になります。

だから、互い違いにレンガを積むように、石膏ボードを張っているという訳です。

ただ、こうした張り方をしても、どうしても縦目地が入ってしまう場所が存在します。それは、壁のコーナー部分。そういう場所は割れるリスクが高いので、強度の高い紙のジョイント・テープやブルノーズ・コーナー材で強化します。

正しく石膏ボードを張らなければいけないとお話しするのは、ドライウォールだからという訳ではありません。例え仕上げが、珪藻土や壁紙(ビニールクロス等)であったとしても、下地の強化は必修です。上に張ってしまえば、下地など分からないなどというビルダーは、もっての外です。

こうしたノウハウと細かな気遣いが、私たちの美しい輸入住宅のデザインを支えています。こうした私たちの考えや建築に共感され、施工を希望される方は、ご相談下さい。

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勉強部屋は、本当にいるのか?

家づくりを行うに当たって、多くのお客様から「子供部屋にはベッドと本棚と机を置きたい」というリクエストを頂く。まあ、こういう要望は、基本中の基本であることが多いが、果たして子供部屋に全て必要であろうか。

私の子供時代は、進んで勉強したいと思うタチではなかったので、机があっても机などに座った試しがない。殆どは、テレビのあるコタツ兼ちゃぶ台に座って、家族の雑音を耳にしながら、宿題をしていた気がする。

大きくなって大学受験をする時は、個室も与えられたが図書館や予備校の自習室でしか勉強しなかった。個室という他人の気配がない空間では、何か落ち着かないのである。

昔、「頭がよくなる家づくり」という本を読んだ気がするが、お母さんや家族がそばにいる空間で勉強するようにした方が勉強意欲が出るという話があった。そりゃ、小さな子供が2階にある自分の部屋で、一人勉強するなんてあり得ないですよね。大概は、飽きてマンガやゲームをしちゃいます。

極端な人だと、「子供部屋を使うのは、中学・高校の短い期間に過ぎないので、改めて考える必要はない。必要な時期になったら、ご主人の趣味の部屋や奥さんの籠り部屋を子供部屋として一時的に使わせればいい」なんて言う設計士もいる。

まあ、そこまで徹底しては、成人した子供たちが帰ってくる場所もなくなるし、同居すら難しくなるから、将来計画を見据えて間取りを考える必要もあるだろう。

ただ、これからの家づくりに於いては、プライベート(個室)はミニマムに、パブリック(家族が共有する空間)は、マックスにするという考え方が主流になるだろう。

そのパブリックな空間の一角に、共有出来るスダディ・スペース(夫婦の書斎も兼用)を設けるのも一案ではないだろうか。勿論、キッチンから遠くないダイニングで勉強するのもOKだ。

プライバシーを重視し過ぎた社会が、引きこもりを生んだ現実があるなら、パブリックな空間でコミュニケーション出来る自立した子どもを育てることが、これからの家庭教育かも知れない。

家のプランニングは、お客様の想いによって決まってくる。でも、プロの私たちが自分自身の考えをお話しすることで、新たな別の考えに気付くこともあるはずだ。

お互いが自分の意見をぶつけることがプランニングであり、お客様の意見に盲目的に従うだけのプランナーには、あなたが人生の高みを目指す為の素晴らしいデザインは出来ません。家づくりは、皆さんの人生プランをステップアップする為のものと、私は考えています。

いいプランナーは、いい生活コンサルタントでなければいけない。そういった点でプランナーは、広く世間を知り、深く物事を考察できる必要がある。そういう人間と出会えたならば、あなたは家づくりの成功者であり、幸せものだ。これは、お金には代えがたい。

私たちの考えや建築に共感され、施工を希望される方は、ご相談下さい。

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いい加減な施工と「遊び」は、違います

日本人は、何でもきっちり正確に仕事をするのが得意です。逆に、欧米の人たちは、いい加減で楽観的と思われがちですね。でも、建築に関しては、日本人のきっちりした仕事が、実は間違っていたり、将来の歪みや不具合を助長する原因になってしまったりするって知っていますか?

写真を見ると、壁に張られた石膏ボードが、床の構造用合板から数センチ浮いているのが分かりますか。これは、石膏ボードの高さが足りなくて透いているというのではありません。わざと透かしているんですねぇ。

では、何故だと思いますか。それは、この隙間に床に張るフローリングを滑り込ませる為であるのと、このスペースを空けておくことで家の重さで壁が下がってくることを予め想定して対処しているんですね。

では、何故フローリングをこのスペースに滑り込ませるか。

それは、ボードを下まで張ってしまい、そこにフローリングをぶつける施工をしてしまうと、フローリングが温度や湿度の変化によって伸び縮みする場合、壁のボードを押してしまったり、ボードとフローリングとの間に隙間が出てしまったりするなんてことになる訳です。

だから、わざと石膏ボードの下にスペースを作って、フローリングの伸縮に対応する遊びを設けているのです。

壁も同様に、もしこの隙間を空けなかったら、壁が下がった時の逃げ場がなくなり、壁にクラックが入るなんてことになりかねません。

また、写真の壁のコーナーに汚くボードが張られています。普通ならピン角に石膏ボードを張らないと施工不良だと思ってしまいますよね。

でも、実は壁の角を丸く仕上げるブルノーズ・コーナーという材料を施工する為の仕掛けなんです。

どうしてかは、上の図を見て下さいね。きっと、皆さんでも分かるはずです。

輸入住宅のドライウォールは、いい加減な施工をしているように見えますが、本当は遊びを緻密に計算した施工なんですね。だから、建築は、奥が深いんです。こうしたデザインの建築をご希望の方は、ご相談下さい。

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ドライウォールの下地仕事は、一度では終わらない

釘でなく、ビスで横張りされた石膏ボード(テーパーボード)。(釘だと将来抜けてきて、丸い釘の頭が顔を出します)

ボード張りの後、紙で出来た専用のドライウォール・テープを施工した様子がこちらです。

バズーカと呼ばれる専用の道具を使うと、テープの両面に石膏のパテが塗られた状態で、道具の先端のローラー部分に押し出されてきます。

それを石膏ボードのジョイント(つなぎ目)に、自動で張ることが出来るのが、専用工具のバズーカ(オートマティック・テーパーが正式名称)です。

これで、石膏ボードとテープとを天然石膏のパテで接着することとなります。石膏ボードの表面も紙ですし、テープも紙。天然石膏のパテなら、この紙という素材と化学反応を起こして一体化していきます。こういうことは、国産の化学石膏のパテではうまく出来ません。だから、北米からパテも輸入しているんですね。

また、紙のテープは、強度を出す為に厚手のものとなっていますし、パテも十分載らなければジョイントを強化することは出来ません。だから、石膏ボードの端っこが少し凹んだテーパーボードを使うんですね。この凹みがあるから、パテやテープを入れても壁を平らな状態に保つことが可能となります。

この状態で1日乾かしますが、これで完了ではありません。次の日、もう少し広い幅で石膏パテを薄く盛ります。そして、また1日置いて乾いてから、更に広い幅で再度石膏パテを薄く盛ります。

何故一度にパテを厚く塗らないかって?それは、車のワックスと同じで、薄く塗って乾かさないと、表面だけが乾いて中身がしっかり乾かず、剥がれやすくなるからです。

最終パテが乾く次の日に、盛り過ぎたパテを削り取って、壁や天井をほぼ平らな状況にもっていきます。これをサンディングと呼びます。

そして、テクスチャーと呼ばれる石目の模様付けを行ってから、最後に安全なカナダの水性塗料 パラペイントで塗装を3回(下塗り1回、上塗り2回)して、ドライウォールの施工は完了です。

どうでしょう、すごい手間・暇を掛けているでしょ!

天然石膏ですから、自然と乾くまでに時間が掛かります。ですから、全行程をこなすのには2~3週間を要します。ただ、その強さや美しさ、健康への配慮は、手間やお金を掛けただけのものがあるんですねぇ。

お客さんの目を盗んで、材料や作業を簡易にやることは出来るかも知れませんが、ホームメイドの理念が許しません。

それこそ、私たちのプライドであり、ホームメイドの輸入住宅というブランドだと思います。でも、この作業は、北米では普通の仕事なんですよ(笑) 如何に日本の住宅レベルが低いかが分かります(涙)
こうした私たちの考えや建築に共感され、施工を希望される方は、ご相談下さい。

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日本の家に不足しているもの

2013年夏に発刊された「建築知識 ビルダーズ No.13」のダイジェスト版を頂いた。その巻頭の記事で編集長が面白いことを書いていたのでご紹介したいと思う。

数年前から、「モノ売り」から「コト売り」に、商売のトレンドは変化してきているという。つまり、価格で価値が決まる大量生産型の住宅の売り方を「モノ売り」と称して、それに対し家族のコミュニケーションや生活の豊かさなど、価格では表すことが出来ない価値を謳った家を「コト売り」というそうです。

住み手の暮らしに耳を傾け、アイデアをひねり出し、それをプランに反映させる、ビルダー(プランナー)の結晶こそが、価格で表現出来ない価値、まさに「コト売り」だという。

話は変わってある方が、「身の回りの「断熱」を「壇蜜」に置き換えてみて下さい」と言ったそうです。その時の一言が、「日本の住宅の壇蜜性能は低い!」ということでした。それって何?となる訳ですが、彼は「癒しと官能」と言ったそうです。住宅の癒しと官能。本能に訴える力とは?

静かで落ち着きのある空間。そこに差す自然の光や照明器具が作り出す壁や天井の陰影。本能に訴える力とは、その部屋の空気感を作り上げる力だと筆者は結論付けていました。

単に住む為の箱と考えれば、安い「モノ売り」の住宅で十分だろう。でも、今の日本人には壇蜜性能が必要な気がする。そういう性能が不足した家は、長く愛してもらえないに違いない。価格や見積には反映されないデザインやセンス、素材感って、本当に大切ですね。

私たちの家づくりでも、「癒しと官能」を感じて頂きたいものです。それが分かるようになる為には、本物を知るしかありません。・・・さて、あなたのおうちは、セクシーでしょうか?こうした私たちの考えや建築に共感され、施工を希望される方は、ご相談下さい。

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建築費は、まだまだ上がる? やるなら、今でしょ!

昨日、建築経営の勉強会に行ってきた。個人のお客様とのお付き合いや職人さんとの打ち合わせが多い仕事ですから、こういう会に入って自ら外へ目を向けることをしないと井の中の蛙になってしまう。

そういったことから、月1回ですが見聞を広めさせて頂いている。同じ建築業界の仲間ですから、話の中心は昨今の仕事の状況や周囲の経営環境ということになる。

そこで皆が声を揃えて言うのは、増税前だけど自分たちの受注については、世間ほど景気がいいとは言えないということとあらゆる建材・資材や個々の工事単価が上がってきているということだった。

受注状況やお客様からのお問い合わせについては、他の皆さんと比べれば、いい状況になりつつあると言えるのだが、建材や施工費の値上げについては、私自身もひしひしと感じる。

コンクリートや鉄筋を多用する基礎工事や構造材の木材などは10%以上値上がってきているし、材料を新しく購入することのない仮設の足場工事なども何故か単価が上がってきているのだ。(今まで我慢してきた反動で、便乗値上げじゃないと思いますが・・・)

更に今日会社に来た資材を輸入する業者さんの話では、7月以降輸入サッシやフローリングなど20%などという程度でないくらい値上げする貿易商社が出てくるだろうとのことでした。

日本の産業は、資源を全て海外に依存しているので、国産のものだろうが、輸入のものだろうが、80円から100円へと変化した為替の影響をまともに受ける。今まで海外メーカーの値上げを、円高でしのいできたので価格を維持してきたのに、20%の円安となればそれを企業努力で吸収することなどまず不可能なのだ。

でも、建築屋はお客様に見積を出して、運よくすぐに契約が出来たとしても、図面の作成、行政の許可、着工から竣工(完成)までの期間が4~7ヵ月も掛かってしまう。つまり、現状のような急激な値上げがこの期間に発生すると全て赤字となってしまうことになるから、存続の危機も覚悟しなければいけなくなる。

アベノミクスで円が安くなって、製品を輸出する企業が潤っているという話があるが、そうした企業も資材は輸入しているはずだから、輸出企業の成長にも影響が出るはずだし、インフレとなれば生活物資も高くなって、サラリーマンの所得を圧迫してくるはずだ。

また、住宅融資の金利も上がるし、来年は消費税も上がる。

デフレに慣れ親しんだ私たちにとっては、値上げなどはそんなに簡単に起こらないと思いがちだが、ものすごい勢いで世の中が変わってきているということを感じないと、チャンスがいつのまにかピンチになっているかも知れないですよ。

値上げをすると、私たち建築屋が儲かるように思われがちですが、手元からどんどん落ちていってしまって、何も残ってくれない現実は悲しいことです。

私の話は、輸入住宅屋だからではありません。全ての住宅メーカー、全ての産業・製品においても、この夏以降目に見える形になりますから注意して下さいね。

少し高いと思って躊躇した金額が、後から見たら結構お値打ちな価格だったとならないように・・・。勿論、慌てて家づくりするのもダメですよ。全ては、皆さんの経済観念やバランス感覚に掛かっています。

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昨今、マンションが売れているが・・・

アベノミクスで資産が増えたからか、都心の高級マンションの売れ行きがすこぶる好調というニュースがテレビ等で報道される。世の中、お金が流れないと景気がよくならないので、そういった意味ではいい傾向と言えるのだが、本当に大丈夫なんだろうか?

雑誌「東洋経済」の「マンション時限爆弾」という記事を読んだのだが、分譲マンションは都会での生活に定着し、東京では約600万戸になるそうだ。そのうち、すでに5分の1が築30年以上。今後10年でさらに老朽化は加速し、全体の3分の1を占める見通しだ。同時に築40年超のマンションでは、60歳以上のみの老人世帯が半数に至るなど、住民の高齢化も進んでいるという。

こうしたマンションの問題は、メンテナンスをしていく費用を全員が負担していくことが難しくなるということです。

お金がある人がない人の分も負担していければいいが、そんなことはなかなかこのご時勢難しい。そうなると、老朽化をただ見ているだけという状況になるから、お金がある程度あって先の読める住人は、さっさと売るか、貸すかして別の所に引っ越してしまう。

そうなると、住民の民度は下がり、やがてスラム化してしまう。戸建てと違ってマンションは、自分だけで所有している訳ではないというところが難しい。維持管理について住人たちの同意がなければ前に進まないことが多い。

勿論、維持管理をするだけならまだいいのだが、40年を超えると建て替えを余儀なくされるケースが出てくるのだ。こうしたことは、どんな高級マンションでも避けては通れない。だから、皆が知らないうちに問題が蓄積し、そのうち突然破裂する時限爆弾に似ているのがマンション問題かも知れない。

戸建てだってメンテナンスをしなければ、30年で解体される運命にあるが、他人が介在しない分解決策は考えやすいかも・・・。

まあ、消費税増税前には、いろいろなことを考えなきゃいけないですねぇ。それにしても、鉄筋コンクリートのマンションは、コンクリートから出る大量の湿気で、部屋が結露したりカビたりするんだけど、購入する人たちは分かってるのかなぁ・・・?アレルギーのある子供が居たら、大変です。

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