いい加減な施工と「遊び」は、違います

いい加減な施工と「遊び」は、違います

日本人は、何でもきっちり正確に仕事をするのが得意です。逆に、欧米の人たちは、いい加減で楽観的と思われがちですね。でも、建築に関しては、日本人のきっちりした仕事が、実は間違っていたり、将来の歪みや不具合を助長する原因になってしまったりするって知っていますか?

写真を見ると、壁に張られた石膏ボードが、床の構造用合板から数センチ浮いているのが分かりますか。これは、石膏ボードの高さが足りなくて透いているというのではありません。わざと透かしているんですねぇ。

では、何故だと思いますか。それは、この隙間に床に張るフローリングを滑り込ませる為であるのと、このスペースを空けておくことで家の重さで壁が下がってくることを予め想定して対処しているんですね。

では、何故フローリングをこのスペースに滑り込ませるか。

それは、ボードを下まで張ってしまい、そこにフローリングをぶつける施工をしてしまうと、フローリングが温度や湿度の変化によって伸び縮みする場合、壁のボードを押してしまったり、ボードとフローリングとの間に隙間が出てしまったりするなんてことになる訳です。

だから、わざと石膏ボードの下にスペースを作って、フローリングの伸縮に対応する遊びを設けているのです。

壁も同様に、もしこの隙間を空けなかったら、壁が下がった時の逃げ場がなくなり、壁にクラックが入るなんてことになりかねません。

また、写真の壁のコーナーに汚くボードが張られています。普通ならピン角に石膏ボードを張らないと施工不良だと思ってしまいますよね。

でも、実は壁の角を丸く仕上げるブルノーズ・コーナーという材料を施工する為の仕掛けなんです。

どうしてかは、上の図を見て下さいね。きっと、皆さんでも分かるはずです。

輸入住宅のドライウォールは、いい加減な施工をしているように見えますが、本当は遊びを緻密に計算した施工なんですね。だから、建築は、奥が深いんです。こうしたデザインの建築をご希望の方は、ご相談下さい。

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