階段手摺考

階段手摺考

美しい輸入の階段デザインを実現する為には、階段スペースを構成する壁の位置や吹き抜け空間の広さ、そして下の床から上の床までの高さを頭に入れておく必要があります。また、2次元の図面から3次元の完成形をイメージ出来る想像力も大切な要素です。

まず、輸入住宅の階段デザインは、大きく分けて2種類のものが存在します。それが、この2つの絵。1つは「Post to Post」、もう1つは「Over the Post」。

「Post to Post」は、階段手摺の強度に於いて重要となるメインの柱(Newel又は親柱と呼びます)の側面に手摺(Hand Railと呼びます)がぶつかってくるというデザイン。

柱(Post)と柱(Post)の間に手摺が入り込んで、手摺が柱で一旦途切れ、そしてその柱からまた別の手摺が延びていくというデザインとなります。

このデザインの特徴は、メインの柱の存在感でしょう。絵では左右で違う2種類のものをご覧頂けますが、いずれも重厚感やしっかり感が出たものとなっていますね。どちらかいうと中世的でクラシックな印象を与えるデザインと言えるかも知れません。

そして、「Over the Post」は、手摺を間柱(Baluster又は子柱と呼びます)の上だけでなく、メインの柱の上にも載せてしまうというものです。このデザインの場合、手摺は全ての柱の上に載りますから、最後まで手摺の連続性は失われないこととなります。

こちらのデザイン的な特徴は、手摺の優雅さや繊細さと言ってもいいでしょう。「Post to Post」程のしっかりした印象はありませんが、その優雅な感じは、家に洗練されたエレガントさを演出してくれることと思います。

北米には、多くの階段材メーカーが存在します。メーカーによってその柱や手摺のデザインも多様ですが、階段全体の基本デザインはこの2種類のみ。

でも、絵をご覧頂くと分かりますが、多くの階段部材が用途毎に使われていますよね。これらを私たち ホームメイドではその階段の完成形を頭に入れながら1つ1つリストアップしてメーカーに発注します。

また、どんな種類の木を使うか、間柱等にアイアンのものを使うかどうか、なんてことも同時に考えなければいけません。(勿論、国産の階段のような合板等のフェイクのものは使いませんよ)

欧米の階段の伝統的な納まり(作り方)やどんな部材がどこに必要かを知っていなければ、どこかヘンテコなデザインとなってしまいますから注意して下さいね。慣れないと大変な労力と時間を必要としますが、こうすることで美しい輸入住宅のデザインが実現するのです。

本物を知る輸入住宅ビルダーで建てるという意味、これがあると思いますか?それとも、そんなものは必要ないでしょうか。これを決めるのは、皆さんの価値観です。こうしたデザインの建築をご希望の方は、ご相談下さい。

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