2重構造の建具枠

2重構造の建具枠

昨日、リッチモンド(Richmond)社のダブルハングサッシの建具修理について記事に書かせて頂きましたが、今回は同社の開き窓、ケースメント。

同じメーカーのものでも、サッシの形式が違うと構造も違います。ダブルハングの場合は、建具本体の木枠の上にアルミのカバーがぴったりと張り付くように作られていました。

リッチモンドのケースメントは、室内側の木枠の部分と屋外側のアルミ枠の部分がそれぞれ独自の構造で出来ており、それが合わさることで1つの建具となっています。

写真は、ガラス交換の為にその建具を分解して、合わさっていた木枠とアルミ枠とを分離させた状態です。中央部の幅が狭い部分が、それぞれの枠が組み付けられる部分で、それぞれの幅の広い部分が主要なフレームとなります。

そういった点では、それぞれのフレーム自体が密着する構造ではないので、フレームからの雨漏れで木枠が腐るというリスクは低いかも知れません。

ただ、ペアガラスをアルミ枠と木枠の双方で挟み込み、その固定の為に両面の防水テープをそれぞれに付けるというやり方をしますから、アルミ枠の防水テープが劣化すれば、雨がガラスの奥へと入り込みそこに接する木枠に腐りが発生するリスクは存在します。

ですから、アルミとガラスが接する部分の防水をテープだけに頼らず、ちゃんと防水コーキング等で処理しておかなければ、将来の雨漏れには対応出来ないと思います。

普段アルミクラッドのサッシを分解することはありませんが、分解可能なサッシをチェックすることで、窓の構造的な弱点や注意点を把握出来るということはいい経験と対策への知識を得る機会となります。

それから、劣化した防水テープを中途半端に取ると、反ってそこから雨が侵入する隙間を作ってしまいますから、テープのウレタン素材は十分に剥がさないと意味はありません。ただ、これをきれいに剥がすには相当な苦労や時間、適切な道具が必要です。

素人の人や下手な職人がやると、いい加減にやって失敗しますから注意して下さいね。まあ、実際にやったことがないと分からないかも知れませんが・・・。

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