まるでお布団です

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自然素材の断熱工事

昨日、屋根の通気スペーサーの素晴らしさについて書きましたが、今日は自然素材であるセルロース・ファイバーの断熱工事について書かせて頂きます。

小学校の理科でも習った通り、セルロースとは植物の細胞壁を形作る繊維ですが、私たちはセルロースを固めて作った紙を再度粉砕して家の断熱材に使います。

セルロースは、元々木の繊維ですから、木造の柱材と素材的には全く同じ。そういう点でも全てが木に囲まれている家になる訳です。

セルロースを施工する為には、まず不織布という空気を通す布を張らなければなりません。布を張らずに壁に吹き付ける方法もありますが、化学物質の入った糊を混ぜて壁に布着させますから、せっかくの自然素材が台無しです。

だから、少々手間は掛かりますが、壁全面に不織布をたるみなく張っていきます。ピンと張った不織布に太いホースを入れる為の穴を明けて、そこからブローイング・マシンで細かな綿状のセルロースを吹き込みます。

ご覧のように壁の中に隙間なくセルロースが入りますから、グラスウールのように断熱欠損が生じることも心配ありません。勿論、あまり多く入れ過ぎると、その上に張る石膏ボードも膨れてしまいますから、その加減が絶妙でないといけません。

写真のように、不織布が少しだけ膨らんだ感じは、まさにお布団のような感じです。でも、実際に触ってみると、フワフワした感じではなく、結構しっかり固い感じがして安心感があるんですよ。

石膏ボードを内装に張ってしまえば、断熱材は全く見えなくなってしまいますが、見えないところこそ本当は大切なんです。

そうそう、断熱工事が終わって石膏ボードを張る前には、普通ビニールシートのべーパーバリアを湿気除けに張りますが、壁自体を呼吸させるセルロースや羊毛の断熱壁では不要です。ビニールで家を覆うなんて、家自体を窒息させる以外何ものでもありませんよね。勿論、ビニールクロスも論外です。

<関連記事>: 木の細胞繊維であるセルロース断熱材 (2006年12月25日)

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