大分の現場へセルロースや羊毛の断熱材を運びました

大分の現場へセルロースや羊毛の断熱材を運びました

通気スペーサー

サッシの取付けや室内配線が完了したといことで、そろそろ断熱材を入れたいという現場からの要請を頂きました。

そこで、週初めにセルロースの断熱材を壁内に吹き込む為のブローイングマシン(吹き込み機)とセルロース、天然羊毛の断熱材などをトラックに積み込みました。

ブローイング・マシンは200kg近い重さがありますし、断熱材も相当量を積み込みましたから、積載量のほぼ限界で名古屋~大分間を走ってきました。

いい年なのに、ほんとよくこんな大変なことをやりますよね。断熱処理の作業等については、また後日ご案内することとして、その前段階のことについて少しお話をしたいと思います。

自然素材の断熱材は、室内の温度調整を行ってくれるばかりか、湿度の調整をも自動でやってくれるスグレモノです。勿論、解体時にはリサイクルも可能です。こうした機能は、グラスウールやロックウールなどの無機質な断熱材ではあり得ません。

だからこそ、大変な手間と費用が掛かっても、私たちはお客様の家にはこうした断熱材を入れる訳ですが、温度や湿度を最終的にどこかから外に出さなければ、それらが室内に籠ってしまいます。

そうしたものは、上昇気流によって徐々に上へ上へと上がっていき、最後には屋根裏や屋根下地にまで到達します。当然、そこにグラスウールのようなものが張ってあれば、グラスウール等が湿気ってしまい、断熱性能が低下するばかりか、屋根裏結露によって屋根の野地板や屋根垂木が腐ってきてしまいます。

湿気や熱は絶えず下から上がってきますから、単にセルロースや羊毛を断熱として入れただけでは、そのうち飽和状態となってせっかくの自然素材の断熱材も意味をなさなくなってしまいます。

そこで入れるのが、写真のような通気スペーサー。これは、外壁の通気層や軒下換気口から上がってくる空気を、この段ボールの内側にある通気層に通して、最後に屋根の棟から放出する為に施工されます。

(素材の段ボールは、セルロースと同じ木の繊維で出来ています。ですから、木造の構造材との相性は抜群ですし、吸放湿作用性もあります)

その空気の上昇を利用して、自然素材の断熱材を通過した室内の湿気や熱をも外へと逃がすのが、通気スペーサーの役割でもあります。

つまり、家(外壁)の外側の通気層によって家の構造そのものを乾燥させるという役割と、室内の余分な湿気や熱を自然に屋外に出して、室内環境を整える役割を果たしているのです。これって、家やそこに住む人にとっては、相当素敵なことなんです。

自然素材の断熱材を自然な状態のまま入れたり、通気層を形成するように施工したりと、結構な手間・暇・コストが掛かりますから、殆どの住宅メーカーではやっていません。

何故こんないいことをやらないのか? お客様の目に触れないことはやればやるだけ価格競争で不利になるからです。だって、見た目同じで坪単価が高かったら、買ってもらえないと誰しも考えますよね。

それって、お客様のことをほんとに考えた家づくりと言えるでしょうか。だから私は、見積だけで判断する人は嫌いですし、自分が手を抜いて儲けだけを優先することもしたくありません。

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