お知らせ : ページ 270

シングルハング・サッシとバランサー

シングルハングサッシとバランサー

こちらは、神戸のお客様からご相談を頂いたシングルハング・サッシ。

輸入サッシであることは分かるのですが、樹脂製かアルミ製かは写真だけでは判断出来ません。

また、このサッシに付いていたと思われるチャネル・バランサーが外された状態で写っています。糸切れを起こしていないようですから、不具合がないものなのか、それとも糸を巻き付ける滑車の動きが悪くなって、バネの機能が十分に果たされなくなったものかも知れません。

こうしたバランサーは、糸切れ以外でも不具合が発生しますし、そうなると窓の開閉が難しくなってくるのです。それにしても、サッシ周りが随分汚れていますねぇ。

こんな状態では、窓のメンテナンスもろくになされていないでしょうから、いろいろな部分が悪くなるのは極々自然です。家というものは、愛着が一番大切です。愛着があれば、自然と可愛がるものです。それは、家もペットも同じです。

可愛がって手入れをしてやれば、長く生き続けてくれますが、放ったらかしにして何もしなければ、その寿命も相応になります。30年も経たないうちに壊される日本の住宅の多くは、住宅メーカーが何もしてくれない、工務店に騙されたということではなく、住み手もメンテナンスを怠っていたというのも事実です。

そうならないようにする為には、造り手も使い手も一緒に長く点検・修理をしていけるような関係を築き上げることが大切です。そこには、お金を越えた何かがなければいけないと私は思います。

ただ、今回のケースでは、お金や手間を掛けてでも直したいとお考え頂けているのか、・・・? 私だって骨折り損は嫌ですからね。

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サッシ上部にもヒンジは付いている

バイスロイ社ケースメントのヒンジ

昨日、インシュレート社のウィンドウ・ヒンジについて書きましたので、今日はバイスロイ社製ケースメント・サッシのヒンジをご覧に入れます。

(この話題は、ちょっとマニアック過ぎますかねぇ~)

こうした窓用ヒンジは、サッシの下枠だけでなく上枠にも同じものが付けられています。つまりペア(一対)なんです。上下両方付いていなければ、建具(障子)を固定したり、開閉させたり出来ないですもんね。

カナダ ヴァイスロイ(Viceroy)も同じ樹脂製サッシですが、こちらのヒンジは4本のバー・プレートを軸として用いていますから、結構耐久性がありそうですが、強い風の際に窓を開けっ放しにしたりすると、風に建具が煽られヒンジや窓が歪んでしまうこともあるようです。

ヒンジが歪めば、建具自体の水平・垂直も狂ってきますから、窓が開けにくくなったり、閉める際に十分引き込めなくなったりします。それを力ずくで動かすもんですから、ヒンジだけでなくオペレーターもギアがおかしくなってしまい、空回りするトラブルへと発展します。

一つの原因からどんどん問題は他に波及して、最後には全体が変になってしまうといういい例です。勿論、すぐにそうなる訳ではありませんから、何年も掛けて問題が徐々に大きくなるのです。

また、同様のことを別のサッシでもやってしまいますから、家全体の窓という窓が開閉出来なくなるみたいです。そういうおうちのお客様は、日本中にたくさんいらっしゃるでしょうね。

こういうトラブルの対処や調整をすることが多くなってきましたが、樹脂製の枠の場合、抜けたビスを締めようにもビスの取付け穴が広がってバカになっていると、相当厄介な修理となります。

今回のケースでもビスが利かないところがありましたし、レール上を動く黒いプラスチックのスライド部品が割れて操作出来ないという不具合もありました。

そこで、ビス穴に詰めものをした上でビスを固定し、スライダーが付属しているウィンドウ・ヒンジも窓から外して丸ごと交換しました。

気密性や断熱性、防犯性をよくする為に考えられた輸入サッシの開閉システムですが、その取付けは繊細ですから、無理に何とかしようと思わないで、早めに専門家に直してもらって下さいね。

<関連記事>: ウィンドウ・ヒンジの交換 (2016年9月26日)

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これもヒンジ?

インシュレート・サッシのヒンジ

玄関ドアや室内のドアには、蝶番と呼ばれるドア・ヒンジが付いています。ドアを開閉する際の支点となる部品で、普通は3枚付いていますね。

輸入サッシでも開きの窓には、同様にヒンジが取り付けられていますが、その形状はドアとは全く異なります。(尚、国産サッシでは、ドア・ヒンジと同じ形状のものが付いているケースが多いかも知れません)

開きのサッシと言っても、横方向に開く竪滑りタイプのケースメントや下側が外に開いていくオーニングがありますが、開く位置が違うだけでおおよそヒンジの構造は同じです。

ただ、サッシ・メーカーによって、窓ヒンジの形状や大きさは異なったものが付いていますから、取り換えるなどの際は注意が必要です。

写真のものは、インシュレート(Insulate)社のケースメント用として取り付けられていたヒンジです。ロト・システムと呼ばれる開閉構造の部品ですが、他社製のサッシのものとは形状が全く違います。(機能的には変わりませんが・・・)

当然、これに付随するオペレーター(ギアで開閉を操作する部品)も独特であることは言うまでもありません。部品の平準化が進んでいる北米の住宅ですから、こうした窓部品も同じものをどの会社でも採用しているというふうにしてくれたらよりよい気がするのですが、なかなかそうはならないようです。

ただ、サッシ・メーカーが万一なくなってしまっても、パーツを供給する部品メーカーは存在しますから、将来部品がなくて修理が出来ないという不安は少ないかも知れません。

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糸が切れたら、交換しよう!

ミルガードのバランサー

ミルガード(Milgard)やインシュレート(Insulate)といった樹脂製の輸入サッシでは、シングルハング(下側の建具だけが可動する上げ下げ窓)用に写真のようなタイプのチャネル・バランサーが使われています。

ペアガラスで重量が増した建具を持ち上げる際に、それを補助する役割を果たしてくれたり、窓を上げた状態で保持する役目を果たしたりするのがバランサーです。

このパーツは、両側の窓枠の中に内蔵されているので、普段は目にすることはありません。窓の見た目は美しくなりますが、不具合が出るまでバランサーの状態が分からないという欠点も存在します。

ですから、新築から10年以上経ってから、住んでいる皆さんがトラブルになって初めて気付くという訳です。勿論、新築時に建てたビルダーさんからそういった注意点や交換方法を説明された人は誰もいないでしょう。

また、住宅メーカーや工務店もバランサーや補修について何ら知識がない状態であることも問題です。それは、流行っているから、儲かるからと輸入住宅を始めたビルダーが殆どで、高い理想や覚悟を持って家づくりをしていたなどというところは皆無だったからに他なりません。

ですから、そうなった時にお客様からビルダーにメンテナンスをお願いしても、彼らは対処の仕様がありませんし、その努力もしないのです。そういうビルダーだということを見極めずに価格や見た目だけで契約してしまったお客様側にもその責任の一端はありますが、日本の住宅産業の体質に大きな原因があるように思います。

バランサーは、一本の糸(紐)とバネが連携してその役目を果たします。単純な構造で出来るだけ安価に交換出来るように考えられていますが、その調達先や交換方法を知らなければ、サッシごと交換しなければ直らないと勘違いしてしまうでしょう。

設計者やビルダーの知識や経験が家づくりにおいてどれだけ大切かを感じて頂けた方は、不具合に備えて是非掛かり付けの専門家を見つけるようにして下さい。

新築よりもその後のアフターメンテナンスの方が、家づくりには何倍も重要なのですから・・・。

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FRPのバルコニー(ベランダ)の防水メンテ

FRPバルコニーの洗浄

後付けの簡易バルコニーは別にして、造り付けのバルコニーや陸屋根の防水には、FRPを用いることが多くなっています。

FRPは、グラスファイバーの繊維を重ねた上から液体の樹脂を流し込んで、繊維に染み込ませて一体成型したものを言います。

最近の安価なユニットバスの浴槽は、このFRPで出来ていますね。

グラスファイバーの繊維が入っていますから、伸縮も比較的少なく強度もあって割れにくいという特徴があり、現場の状況に合わせて一体成型しますから、形が多少複雑でも施工が可能という側面もありますので、住宅のバルコニーの防水にはもってこいなのです。

ただ、バルコニーの床は、常に雨風や太陽の強い紫外線に曝されるばかりか、黄砂や車の排気ガス、落ち葉などが溜まって過酷な環境に置かれていることを忘れてはいけません。ですから、10~15年に一度は状態を点検して、必要あれば表面の洗浄や補修メンテナンスをしてあげることが大切です。

よくあるのが、ゴミや落ち葉が排水口に詰まったまま放置されていて、オーバーフローした雨水がFRP層を乗り越えて、構造体に侵入し1階の天井や壁から雨漏りしてくるというトラブルです。

バルコニーの壁とFRPの床との境い目に防水コーキングを打ち直したり、割れなどないかを確認したりすることも普段の注意で十分可能です。

このお宅は幸い雨漏れなどのトラブルはありませんでしたが、10年以上溜まった汚れはひどいものでした。外壁と共にきれいに洗浄した後は、床の防水をやり直します。

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ケースメントのロック・レバー

インシュレートのロックレバー

インシュレート(Insulate)社製ケースメント・サッシのロックレバーが壊れたので、部品が欲しいというご相談を頂きました。

輸入の樹脂サッシでは、結構たくさん採用されたものですが、そろそろメンテナンスが必要になる箇所も出てきていますね。

写真を見る限り、レバー自体が曲がってしまっているようですから、もしかしたらロックする為のラッチが掛からずに、無理にレバーを下げた時にポキッと折れてしまったのかも知れません。

折れた部分は金属ですからそう簡単には折れないんですが、それでもそれを何度も繰り返していると、そのうち耐え切れなくなってこうなってしまうのだと思います。ロックの破損は防犯にも係ることですから、早めに対処してあげたいものです。

輸入サッシは、建具調整を定期的にやってあげないと、ディメンションが変わってしまっていろいろな部分がうまく可動しなくなるんでしょうね。

ただ、ご安心下さい。こうした部品は、どこの窓メーカーも採用している汎用パーツであることが殆どです。(汎用部品のメーカーは、何十年も同じ部品を供給し続けるというのが、アメリカのいいところです)

つまり、どのサッシ・メーカーも部品が共通なんてことが多いのです。今回のレバー部品もそうした汎用品でしたが、時代と共に少しデザインが変わってきていました。

基本的な寸法に変化はありませんから、取り付ける上では何ら問題がありませんが、ここだけ新しいデザインのレバーが付いているという感じになるだけです。

まあ、それ程気になる箇所ではないですし、そのうちその他のサッシのレバーも交換していくことになるでしょうから、何十年か後には全てが同じレバーに変わっていたなんてことになるんでしょうね。

なんて気の長い話と思われるかも知れませんが、それだけ大切にメンテナンスすれば長く愛していけるのが輸入住宅のいいところです。逆に言えば、そういうロング・スパンで物事を考えられない一般のお客様や住宅メーカーには、不向きなのが輸入住宅でもあります。

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ダッシュウッド社製掃出しサッシの雨漏り

ダッシュウッド社製掃出しサッシ

私が輸入住宅を手掛け始めた頃にお目にかかったことのあるカナダ ダッシュウッド(Dashwood)社の輸入サッシについて、春日井のお客様からご相談を頂きました。

自分自身は施工したことがないサッシ・メーカーのものでしたが、外側を樹脂でコーティングしたり、樹脂枠と室内側の木製枠とを合体させたPVCクラッドの窓を作っていました。

(現在のHPを見ると、クラッド・サッシではなく、オール樹脂のサッシをメインにしているようです)

で、今回状況チェックに伺ったのですが、建てたビルダーさんとは全く縁がなくなって、問題を抱えながらも22年間ずっと放置してある状態でした。防水の弱点である窓枠のつなぎ目から雨が侵入して、それが室内へと入ってきたと思われる箇所がいくつも見受けられますし、それによって木部が相当劣化しているといった感じです。

また、そういった状況ですから、2x4の構造体部分にまで水が入り込んでいる可能性も高いと思われますから、原状回復するには相当な費用と時間が掛かるでしょうね。

お客様も雨がサッシから侵入していることは分かっていたようで、掃出しサッシの上にバルコニー用の物干し屋根を付けたりして、雨がサッシに掛からないような工夫をしていたようですが、根本的な原因解決をしないで対処療法で一時しのぎをしているだけですから、横殴りの雨や台風の時には防水の切れたサッシのつなぎ目などから雨漏りすることは必至です。

私たちのような専門家に相談して、早めにコーキングなどで簡単な防水処理をしたり、塗装などで表面をコーティングしたりしておけば、ここまで大袈裟なことにはならなかったかも知れません。

どんなにいい製品を使って施工しても、その後の扱いを間違えれば家は自ずと酷い状況になってしまいます。高価な自然素材で家を建てるには、お客様の覚悟と気遣いが必要だということをご理解下さい。勿論、建築屋のサポートは言わずもがなです。

因みに、窓メーカーにHPから連絡を入れたのですが、なしのつぶて。こうなってしまうと、私の持つネットワークを駆使して部品の調達や施工を行うしかありません。まあ、カナダ人も面倒でお金にならないことはやりたくないですもんね。

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取り敢えず、応急処置はされてます

クラックが入ったデラクリート外壁

写真は、日進の弊社の近くにある輸入住宅の外壁です。

大手住宅メーカーさんで建てられたおうちですが、新築から一度もメーカー・メンテナンスを受けていない状況でした。

何故そうなのかといった事情は分かりませんが、10年に一度くらいの頻度で点検・補修は絶対に必要です。そういう定期的なメンテナンスがやれていない住宅メーカーや工務店が、この日本には如何に多いか。非常に残念でなりません。

アンダーセン(Andersen)のケースメント・サッシを多く使って頂いているようですが、建具(障子)の建て起こしの問題か、それとも気密パッキン材のウェザーストリップがへたってきたのか、窓の上枠と建具との隙間から雨が時折侵入してきます。

また、浴室や勝手口の取り付けられたエクセル・シャノンの樹脂サッシの可動式網戸が破損しています。こうしたことは、簡単な部品類を交換した上で、サッシを調整してあげれば大抵の窓が元通りになるものです。(勿論、構造的な問題や施工手順や材料の間違いなどがある場合は、直らないケースもあるでしょうが・・・)

さて、今回取り上げる問題は、外壁のクラック。私が相談を受ける前に、お客様ご自身で防水剤を使って割れの部分を補修して頂いているようですから、当面の不具合は回避出来ています。

デラクリートという名前のコンクリート・防火パネル材が外壁に張られていて、その上に仕上げ材としてジョリパットのようなスタッコが塗られています。

こういう場合、表面のスタッコ自体が、外気温の変化や建物の伸縮によって割れてしまうということもありますが、このように一直線に割れが入っている時は、下地となっているパネル材のつなぎ目(目地)がずれて割れたと考えるのが正しいと思います。(尚、塗装で仕上げても同じ結果です)

垂直荷重において最もウィーク・ポイントとなるのが、窓の両サイド。そこに敢えてデラクリートのつなぎ目をもってきてしまったことが、一番の問題でしょう。

また、こうした割れは、外壁のコーナー部分などにも起こることがよくあります。それは、コーナー部分が一番つなぎ目の集中する箇所だからです。

パネルをジョイントする部分は、出来るだけ窓やコーナーを避けて、万一そこに近くなってしまう場合には、補強テープやビス留めを十分に施して下地を作る気遣いが欲しいものです。

また、こうしたクラックは完全には避けられないものですから、下地の動きがあっても柔軟に対応出来るスタッコ・フレックス(Stuc-O-Flex)のような仕上げ材を用いることも対策の一つです。

そうした複数の対策を打つことで、外壁や窓周りからの雨漏りの不安を解消することが出来るはずですよ。ただ、新築時の見積には、材料の表記があっても張る位置や張り方、施工の良し悪しや気遣いまで書かれていないのが実情です。

見積だけを信用するのでなく、施工についての情報公開をしているかどうかも確認する必要があるかも知れません。

それにしても、防火規定が厳しくなって外壁材の厚みも増大している昨今、外壁材の重量が構造体に与える影響も大きくなってきています。また、大きな地震が頻繁に起こっている状況では、外壁が割れるリスクも考えなければなりません。そんな日本において目地なしの大壁工法で塗り壁を施工するのは、無理があるような気がします。デザインと耐久性の両立について、皆さんはどう思われますでしょうか?

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<関連記事>: クラックの入らない塗り壁 スタッコ・フレックス (2011年1月25日)
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エスニックな床になりました

トイレのリフォーム

先日、排水管の結露や尿漏れで便器周りのフローリングが黒ずんでしまったという記事を書きましたが、これがリフォーム後のトイレです。

床のトラブルは、1階・2階の2ヶ所だったのですが、こんな感じできれいに仕上がりました。

フローリングを剥がして、新たに大判のタイルを張ることが一番いいと考えましたが、床を剥がせば下地の構造用合板をも傷めてしまう可能性がありますし、幅木などもやり直しが必要になります。

また、日程についても数日工事期間が延びてしまう為、ベターな選択としてクッションフロアを張ることとなりました。タイルだと、また男性陣が便器外に尿を飛ばすようなことがあれば、目地が汚れてきてしまいますから、この選択は正解かも知れません。

便器に隠れている部分のフローリングも幸い損傷レベルは大したことなく済みましたので、表面が剥がれた部分を速乾モルタルでフラットにして、クッションフロアを張ることが出来ました。

また、シャワー便座の給水ホースや接続部分からの水漏れは、シャワー・トイレをジャニス工業の新しいものに交換しましたからもう大丈夫。

そして、以前のホースは、蛇腹のステンレス製フレキ管でしたから、子供が少しおもちゃにして曲げるだけで、水漏れを起してしまいます。今回は、柔らかな樹脂ホースを採用していますから、少しくらい動かしても平気です。

更にこのトイレは、便器の縁に返しがなくて、お茶碗のようにツルッとしていますから、掃除も楽でデザインが美しいんです。クッションフロアは、70年代に流行っていた感じのレトロなイスラミック・デザイン(幾何学模様)で、なかなかいいでしょ。

リフォームと云えども、デザインや機能には妥協したくないですから、お客様の生活スタイルに合わせて最適な施工を心掛けたいものです。

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<関連記事>: 形状も機能も美しい、360度フチなしウォシュレット (2014年7月5日)

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ペラ ケースメントのハンドル・カバーのぐらつき

ペラ ケースメントのハンドル

11年程前に建てられた輸入住宅だそうですが、防火輸入サッシで定評のあるペラ ウィンドウ(Pella)が使われています。

見た目に美しく全く問題がなさそうなんですが、台座カバーと一体になったハンドル・レバーを操作しようとすると、固定してあるはずの台座も一緒に持ち上がってきてしまいます。

前にも岐阜のお客様の家で同様の不具合があったのですが、今回もプラスチックの台座の固定用ファスナー(爪)が折れていて、窓枠から外れてしまっている状態になっていました。

樹脂で出来ていますから、劣化は致し方ないとは思いますが、メーカーももう少し強度の出る方法で固定出来るような部品に改良して欲しいものです。

この不具合でハンドルが操作出来ないということはないので、使用には問題はありませんが、納まる処が納まっていないと何か落ち着かないものがありますし、家への愛着という点でも気持ちが薄らいでしまうような気がします。

せっかくいい製品なのですから、ディテールにも拘って欲しいものですね。勿論、部品交換は可能ですから、ご安心を。

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