お知らせ : ページ 353

1軒分だと、このくらい

先日、滋賀県の中古の分譲物件で、Insulate(インシュレート)社のシングルハング・サッシをメンテナンスした際に交換したチャネル・バランサー。

コイル・バランスを使うタイプの窓は、建具(サッシュ)を手前側に倒すことが出来ますが、チャネル・バランスという部品を使うタイプでは、建具(サッシュ)を上に持ち上げて外します。

ですから、北米ではこのバランサーを、Non-tilt window channel balance なんて呼ぶんですねぇ。

きっと、輸入サッシを使ったことがない人には、何のことか全然分からないんでしょうが、輸入住宅にお住まいの半分くらいの方は、どちらか片方は分かるかも知れません(笑) まあ、私の記事は、それくらいマニアックな内容だということですね。

それにしても、バランサーがたくさんあるでしょ。1軒分交換するとなると、このくらい用意しないといけません。

普通の輸入住宅で、全部が全部シングルハングの上げ下げ窓ということはありませんが、横に開くケースメント・サッシや上に開くオーニングでもオペレーティング・ギアやハンドルなどを10年程度で交換、メンテナンスする必要があります。

さて、皆さんのおうちのサッシの調子はどうでしょうか。そろそろメンテナンスしなきゃとお考えの方は、是非交換してみて下さい。新築の時のあのスムースな動きが戻ってきて、気持ちいいですよ。

Insulateの輸入サッシに限らず、バランサー等の窓パーツの交換でお困りの方は、お問い合わせ下さい。

窓やドアの修理・メンテナンスの概要は、リペア&メンテナンスのページをご覧下さい。

<関連記事>: シングルハング窓のバランサー交換に行きました(2014年6月14日)

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デザインにこそ価値があります

日本の住宅メーカーは、やたらと性能や仕様について力説します。しかし、多くの場合、それらはどこのメーカーでも手に入る当たり前のものであることが殆どです。

耐震性が低い住宅がどこにあるでしょうか。本当に安全かどうかは別にして、健康住宅の指針であるF☆☆☆☆(フォー・スター)等級の内装材を使用していない家などどこにもないですよね。太陽光発電もしかり、オール電化もしかり・・・。

私たちのレンガ積み外壁ドライウォールのインテリアなどといった差別化出来る商品を持っているビルダーなど、今の世の中いないと言ってもいいでしょう。

だから最後には、大手は大量仕入れでコストが安いだとか、大きな会社はブランド力もあり、信用出来るとかの話でお客様を説得します。でも、住宅メーカーで100年の歴史がある会社などありませんし、安かろう悪かろうでは、いくらコストを抑えた金額でもその価値はありません。

お金を出すだけの価値って、何なんでしょう?

それは、家づくりの楽しみと出来たものへの満足度にあると言えるかも知れません。それは、お客様自身で抱いていた想像を、遙かに超えた家になっていることが必要です。そう、自分が出したお金以上の出来栄えが要求されるはずです。

そこには、ビルダーのデザイン力やセンスがなければいけません。これは、お金を出せば、絶対買えるものとは言えません。

でも、お金を出さなきゃ、買えないものではあるはずです。絵の具の固まりである絵画や美しい声のポップ・ミュージックは、何億という価値を生み出すこともあるでしょう。感じるものにこそ、人間は大きな満足や癒しを得るのです。洗練されたデザイン・センスや感動が必要な方は、ご相談下さい。

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コンクリートの下地でも安心出来ない

6月11日にレンガ・タイル張りの家の雨戸シャッターが脱落してきたという記事を書きましたが、もう少し詳しく状況を見てみましょう。この写真を見ると、雨戸シャッターの下の木質サイディングもスライス・ブリックの下のコンクリート・サイディングも、防水紙の上に直接貼る「直貼り」だったことが分かりますね。

また、木質サイディングとコンクリート・サイディングとがぶつかる接点に防水的な気遣いがされていなかったことも分かります。(防水紙は、その接点ラインで切れ目(ノコ目)が入っていますし、雨戸シャッターの周囲をコーキング処理してあるだけで、このコーキングが劣化して切れてきた際の手当が何も考えられていないといった状況でした)

以前記事にも書いた通り、外壁材の内側に通気層を取らない施工(直貼り工法)は、万一雨が外壁内に侵入した時には雨漏りや外壁の劣化、最悪構造材の腐食を引き起こすこととなります。

レンガ・タイルを構造体に直貼りせずに、コンクリート・サイディングを下地に張ってあるから雨漏りは問題ないだろうと考えたのでしょうが、このようにサイディングのつなぎ目が動いてしまい割れが入っていては、雨の侵入を防ぐことは出来なくなります。

当然、割れが入った部分で、上に張ってあるレンガ・タイルも一緒に割れて剥がれてしまいました。

この家の場合、更に悪いことが重なりました。それは、構造体の柱の間隔が北米と同じ407mmであったことです。通常、日本の2x4工法では、柱の間隔を455mmとするのが一般的ですが、間隔が狭ければそれだけ柱の数も多くなるので、強度も増すという考えで407mmのピッチで施工する輸入住宅ビルダーも多くいます。

それはそれでいいことではありますが、国産のコンクリート・サイディング(パネル・タイプ)の大きさは、910mmの幅で造られています。柱が455mm間隔であれば、サイディングのつなぎ目と柱の位置が丁度重なり、サイディングのつなぎ目を柱に釘等で打ち付けることが可能です。

でも、柱が407mm間隔であれば、サイディングのつなぎ目と柱の位置がずれてしまい、つなぎ目を柱に釘等で打ち付けることが出来ません。つまり、ジョイント部分が釘打ちされても、12mmの厚さしかない構造用合板にしか釘が利いていないということになります。

だから、季節の温度変化や地震、家自体の重みなどで、少し家が動いてしまうと、外壁材のつなぎ目が割れてくるということになってしまう訳です。ここでも、外壁の通気工法を採用して、胴縁というスペーサーがサイディングのつなぎ目に当たるように入れていれば、動くリスクも減らせたでしょうし、外壁内の乾燥を促すことも出来たと感じます。

確かに直貼りすれば、それだけ手間も減らせますし、お客さんに提示する見積金額も少なく出来るでしょう。お客さんは、同じ見栄えで見積が安ければ、そちらを選ぶのは必然ですが、それだけで住宅メーカーを選ぶのは危険です。

勿論、名の売れた有名メーカーだから安心ということもありません。広告・宣伝やブランドと、技術や知識は別ものです。実際、この家を建てた新築時のビルダーは、名古屋の輸入住宅では、相当有名どころですからね。(何年か後に外壁が雨漏りをしたことで、レンガ・タイルの外壁に造り替えたのは、別の業者さんですが・・)

どうやってそれを見極めるかは、こうした情報をHPやブログを通して、ちゃんと公開しているかを確認したり、直接話を聞いたりすることで、そのビルダーの技術や知識レベル、誠実さや人間性を確認する以外方法はありません。

いくら安く造っても、10年しないうちに雨漏りしたり、壊れたりしてきたりしたら、それ以上の心労やお金が必要となります。さて、皆さんは、どこで家づくりをお願いされますか? 今でも外壁は、レンガ積みよりレンガ・タイル(カルチャード・ブリック)張りの方が安くていいと思いますか?

こうした私たちの考えや建築に共感され、施工を希望される方は、ご相談下さい。

<関連記事>: こんな施工をする建築屋は、長くは続かない (2014年6月11日)
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輸入サッシ ペアガラスの曇り

昨日は、インシュレート(Insulate)社製輸入樹脂サッシのバランサーを交換する為に、滋賀県まで行ったという記事を書きましたが、その現場で新たにもう一つの問題を見つけました。

それは、2階にある窓1ヵ所について、ペアガラスの内部に曇りや錆が発生しているというもの。これは、ペアガラス内部に湿気が入らないようにスペーサーという気密材でガラスの四方を覆っているのですが、何らかの原因でスペーサーの一部に空間が生じたことで起ります。

その僅かな隙間から、中の空気層に水分(湿気)が入り込んだことによって、ガラス内で結露を起します。

夏場は水分が湿気として空気中にありますから、当初はガラスが曇るようなことはありませんが、冬場に外気が冷たくなると温度差によってペアガラスに結露が発現します。そうしたことが何年か繰り返されると、水分によって菌やカビが発生し、ガラスの中がこのように常時曇った状態になってきます。

また、ガラスとガラスとの間にあるスペーサーは、その多くが金属製ですので、水分によって錆が進んできます。そうなると、両方のガラスを密着させるスペーサーの力が失われます。それは、それぞれのガラスが分離した状態になることを意味しますから、将来的に最悪ガラスがサッシから脱落するかも知れません。

今すぐ実害が発生することはありませんが、そうならない為に早めに不具合のあるガラスを交換し、対処して欲しいと思います。また、こうしたトラブルは、国産サッシでも起こりますからご注意下さい。

こうしたペアガラスの曇りやガラスの交換でお困りの方は、お問い合わせ下さい。

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<関連記事>: ペアガラスの内部結露 (2015年2月15日)

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DAIKO 「シーリングファン11機種」 点検&交換

大光電機が2007年12月から2008年1月に製造しました下記のシーリングファンにおきまして、ごく稀に羽根羽根受け金具が破損することが判明。同じ部品(羽根受け金具)を使用している製品は下記の型番品です。

同社は、対象となる製品を代替製品に無償交換するとのこと。

対象製品を使用している場合は、ファンの回転動作を停止して、下記専用フリーダイヤルまで連絡して下さい。

型番(11機種): AS-520、AS-521、AS-523、AS-525、AS-540、AS-542、AS-850RE4、DP-35208、DCH-35210、DP-35446、DCH-35447
対象台数: 1,677台

<対象製品の確認方法>
製品に貼りつけている銘板シール、またはお手持ちの取扱説明書で型番をご確認ください。次に、銘鈑シールで、製造ロット番号(製造年月日)をご確認ください。銘板シールは、製品の(A)または(B)のどちらかの箇所に貼りつけています。

大光電機 専用フリーダイヤル: 0120-038-364、 受付時間:9:00~17:00(土日祝除)

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シングルハング窓のバランサー交換に行きました

以前、滋賀県の分譲物件の新しいバランサーを輸入したというお話を書きましたが、昨日それを交換しに現場まで伺いました。やっぱり、滋賀は遠いですねぇ。名神の事故渋滞もあり、結局1日掛かりでの作業となってしまいました。

いつもはアメリカから輸入したバランサーをお客さん宛にお送りして、ご自身で交換頂くというパターンだったのですが、交換まで面倒をみて欲しいということでしたので、部品と道具、ナビを持っていきました。

予め交換箇所とバランサーのサイズを伺っていたので、部品自体は全く問題ありませんでした。ただ、交換する際にバランサーを固定する部品の「クリップ」が築6年で既に劣化が進んでおり、これが折れて欠損した状態での交換作業は結構大変でした。

小さくて細いパーツなのにプラスチック製でしたから、今後改善が必要と感じましたが、窓メーカーのInsulate社が既に国内から撤退している状況では、どうしようもありません。まあ、次にバランサーを交換する時は、クリップも一緒に交換ですね。ただ、うちに部品の手配や交換をお願いして頂けるかどうかは、この物件を購入される方次第です。

写真にある通り、バランサーは窓枠の両サイドの内側に取り付けます。これがあることで可動する建具(サッシュ)がバランスよく軽く持ち上がり、スムースに開閉出来るのです。輸入のシングルハング・サッシやダブルハング・サッシで、うまく窓の開け閉めが出来なくなったら、原因はこのバランサーという部品の不具合であると言っていいでしょう。

10年毎にこれさえ交換していれば、輸入住宅のサッシはずっと気持ちよく使い続けられます。こうしたバランサーの交換についてお願いしたいというご依頼がありましたら、出来るだけご相談に応じます。

そうそう、ダブルハングの輸入サッシの場合、コイル・バランスと呼ばれるゼンマイ・タイプのバネが使われていますが、通常の交換では窓枠を傷付けないと交換は出来ません。でも、私たち ホームメイドなら、サッシの窓枠を傷付けることなく、バランサー・コイルを交換する技術を持っています。(稀にシングルハングの窓に、このバランサーが使われている場合もあります)

ヴァイスロイ(Viceroy)社製などの輸入樹脂サッシで、同様の問題を抱えていらっしゃった方は、多分ビックリされると思いますよ。これは、ホームメイドだけの企業秘密ですが・・・(笑)

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<関連記事>: 少々急ぎのバランサー交換の案件です(2014年5月25日)
<関連記事>: インシュレートのバランサー、到着!(2014年6月10日)
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輸入住宅は、長持ちしない?

最近、輸入住宅にお住まいの全国の方から、輸入サッシや輸入のドアの修理・メンテナンスについてお問い合わせを頂きます。新築した時の住宅メーカーや工務店が、輸入住宅の事業を止めてしまったり、倒産してしまったりして相談する先がなく、ようやくここを見つけたというお客様ばかりです。

もし直接海外メーカーに問い合わせが出来る私のような変わりもののビルダーがいなかったら、皆さんの家はどんどん壊れていくこととなってしまうかも知れません。

そういった意味では、商品がすぐに調達出来る国産の資材を使う国産住宅の方が安心と考える方もいらっしゃるでしょう。でも、それって本当のことでしょうか。

例えば、国産のサッシやドアですが、国産の資材の多くはその時代のトレンドに合せて、商品のデザインや仕様をどんどん変えていきます。

輸入住宅ブームの際には、輸入サッシのように白い塗装のものや上げ下げ窓のタイプが流行りましたが、最近のシンプル・モダンの流れでは、シルバーやブラックの国産サッシが流行っていますし、上げ下げ窓は殆ど見なくなりました。

つまり、同じ商品を長く継続して製造していくという国産メーカーは、殆ど存在しないと言えるのです。そんな状況では、10年後20年後には補修用部品の供給もなくなってしまうというのが実情でしょう。だから、30年もしないうちに家が建替えられてしまうのです。

確かに、輸入住宅ブームが終わって、私たちのように今でも輸入住宅を実直に建てているビルダーは非常に少ないです。また、輸入資材メーカーの多くの国内代理店も姿を消しました。

そうなると、補修用、メンテナンス用の部品や資材が手に入らないと思われるのは、人情でしょう。でも、そうではありません。例え窓メーカーが吸収合併されてもサッシに使われていた部品類は、どこのメーカーも使う汎用品であることが殆どです。

つまり、ドアにしても窓にしても、部品などのハードウェアは10年前も現在も同じデザインで作られているということが、北米の住宅資材産業にあるのです。勿論、全部が全部そうとは言いませんが、そのケースは往々にして存在します。

だからこそ、100年前に建てられた住宅が、全米どの都市に行っても見受けられるのです。それはメンテナンス出来る資材や部品がずっと作られていることを意味します。国内の住宅メーカーや資材販売会社の都合で輸入住宅の資材が手に入らないだけで、輸入住宅自体や輸入資材の寿命が短い訳ではありません。そう、調達ルートの問題だけです。

私たち ホームメイドは、美しい輸入住宅の文化を日本に根付かせることを使命と考えています。その為には、車の車検のように、10年毎に消耗部品を交換し、サッシやドア、キッチンなどを新築時のように再生させることを輸入住宅ユーザーにもお願いしたいと思います。

そうすれば、100年後には必ずや輸入住宅が街の資産となっているはずです。それは、子供たちが建替えせずに、他にお金を使うことが出来るのを意味します。

それは、建替えを前提としてきた戦後日本の住宅では考えられなかった、家づくりの大きな価値観の転換でもあります。だからこそ、本物で建てなければならないのです。

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こんな施工をする建築屋は、長くは続かない

数年前に中古輸入住宅の内装リフォームをさせて頂いたお客様から、マーヴィン社の掃出しサッシの上に取り付けた国産の雨戸シャッターが、外れて落ちてきそうだから至急見に来て欲しいという連絡を頂いた。梅雨のシーズンだし、そこから雨が侵入したら大変なことになるので、うちのスタッフたちが他の仕事の都合をやり繰りして見に行ってくれた。

この家は、その方が家を購入される前、外壁のトラブルがあって前のオーナーが外壁をやり直したらしい。ただ、その際の施工が不十分であった為、今回こんなことになったというのが本当だろう。

何故なら、このシャッターの下地には、昔張られていたであろう木質系のラップ・サイディングがそのままの状態で残っていたし、そことスライス・ブリックの外壁材との接点の防水処理が、いい加減だったのだ。

シャッターの上端には水切りの薄い金属板が付いている。普通ならこの部分をスライス・ブリックの下にもぐりこませ上から落ちてくる雨に対処するのが、自然の摂理に基づいた施工方法だと思うのだが、見ての通り水切りがレンガ・タイルとほぼ同面だったことが分かる。

また、シャッターを含めた窓周りだけを残す為にその周囲にノコギリ(カッター)を入れたらしく、サイディングの下に入れてある防水紙や構造用合板まで切れ目が入っている。だから、外壁が動いてそこに僅かな隙間が生じてしまうと木造の構造体にまで水が侵入してしまうこととなる。

雨が当たった木質サイディングばかりでなく、水が浸透して劣化した構造体の合板や木材は釘やビスが全く効かなくなる。当然、窓周りにも同様のことが起るのは目に見えている。

胴縁を打って、木質系のラップ・サイディングの下地に通気層を設けてあれば、こんなことになるリスクはいくらか減ったかも知れない。また、スライス・ブリックの下地に通気層があれば、その分シャッターの水切りの上にタイル外壁を被せるだけの余裕も生まれたはずだ。

施工した建築業者は、レンガ・タイルの下にコンクリートのサイディングを施工すれば、外壁の防水は十分と考えたのだろうが、肝心な部分がいい加減だった為に、大金を掛けただけで全く意味のない工事になってしまったと言えるだろう。

外壁材の直貼り施工の危険性、どちらが上でどちらが下になるべきかという自然の摂理、その場しのぎではない徹底した施工、建築に対する豊富な知識や経験。こうしたことを分かって住宅を建てる住宅メーカーって、どれだけいるのだろうか。

こうしたことを理解している私たちですら、自然が起す材料の劣化や台風や地震など人知を超えた猛烈な自然の力には勝てないのに・・・。

ビルダーの良心や勉強度合いって、見積では分からないですよね。やっぱり、こうした問題を直視し多くの人にブログやHPなどで情報公開しいているかどうかや、こうした問題にぶちあたった経験や実績が多いかどうかが、家づくりのパートナーを決めるのには重要ではないでしょうか。

それにしても、これを完璧にするには、結構大掛かりな工事が必要かも知れません。何をいつどこまでやるかは、お客さんの家への思いと予算次第で決めていかなければなりません。

その場しのぎの中途半端な仕事をするのはいけませんが、部分的でも少しずつ最適な施工を積み重ねて補修していく方法もありだと思います。

家づくりって、やっぱり修行ですね。家の修理・メンテナンスでお困りの方は、お問い合わせ下さい。

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インシュレートのバランサー、到着!

輸入サッシ、Insulate Windows社製 シングルハング窓用のバランサー(バランスとも言う)がアメリカから届きました。今回は、急ぎの案件ということで航空便を使って取り寄せしましたが、思ったよりも早い到着でした。

このサッシ・メーカーは、日本から既に撤退していますから、国内で窓の部品を調達するのは難しい。地道ですが、サイズや形式を連絡してアメリカから輸入するのが、一番間違いありません。

週末には名古屋から滋賀県まで行って、輸入住宅の現場で交換作業をしてきます。不具合のあるサッシが10ヵ所で、それぞれ2本ずつ交換してきますから、合計20本の取り替えとなります。

あとは、現場のサッシにバランサー以外の不具合がないことを祈るのみです(笑) また、その模様は記事に書きますので、乞うご期待。

こうした輸入サッシの部品は、おおよそ10年で交換時期がやってきます。ミルガード、ウィルマー、ジェルド・ウェン、ヴァイスロイ、ウェンコ、ローウェン、サミット、サーティンティード、ギノーなど、国内で既に流通していないメーカーのサッシの修理やメンテナンス、部品の供給をご希望の方は、お問い合わせ下さい。

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<関連記事>: 少々急ぎのバランサー交換の案件です(2014年5月25日)
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ワイルドだぜぇ~

青い山が遠くに見える別荘でしょうか。荒削りな板壁に剥がれた白い塗装。窓脇には、メタリックなマントルピースが設置されたマスター・ベッドルーム。

山荘風にも見えますが、どこか都会的な雰囲気のある室内に鳥の巣のようなシャンデリアが吊るされています。この輸入の照明器具は、北米のKichler社が手掛けるオーガニック・コレクションというシリーズのひとつ。

たくさんの枝が寄せ集まっているように見えるものは、錆びたようにデザインされたブロンズ・カラーの金属製。その中心部には、ろうそく型の電球が6個付けられています。

果たして、夜になったらどんな感じで見えるのでしょうか。何れにしても、国産の照明器具にはないデザインと感覚ですね。

きっと、都会のモダンなインテリアに付けても面白いと思いますが、皆さんはどう思われますか?

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