気遣いは、デザインの命

気遣いは、デザインの命

最近、レンガ積みのことばかり書いてきましたので、同時進行していたドライウォールの仕事についてお話します。

以前、本物のドライウォーラーは、貼り方ひとつ違うというお話をしていたと思いますが、この吹抜けのある部屋でどのように貼っているかをご覧頂きます。

まず、私たちが使うのは、4x8フィート(1.2mx2.4m)の石膏ボード。それもテーパーボードと呼ばれる、ジョイント・テープがしっかり美しく貼れるボードを使用します。(テープを張ることを考えて、少しエッジがえぐれた形状をしています)

それと引き換え、日本のメーカーは、3x8フィート(0.9mx2.4m)のもので、尚且つベベルド・エッジという、殆ど角が真っ四角のボードを使用するのです。

大きさからお分かりのように、幅が狭ければボードの数は自然と増えます。ということは、ボードとボードとのジョイント・ラインも増えるということです。強度としては、ジョイント部分が一番弱いところですから、3x8のボードを使えば弱点が増えるのがお分かりでしょう。

また、テーピングに適さないボードですからジョイントの強化も出来ません。

じゃあ、何故そんなボードを使うのか?

それは、大工が持ちやすいからなのです。幅が1.2mもあるボードでは、取り回しするのが大変なのです。また、テーピングの手間やパテもほとんど要りません。要は、お客さんのことでなく自分の都合を優先しているだけなのです。効率という言葉で、本来の施工を割愛しているんですね。

また、横方向に長く貼ったボードは、レンガ目地のように互い違いに貼りますから、垂直方向にジョイントが通りません。つまり垂直圧縮の力が掛かっても、まっすぐ割れが入るリスクが少ないのです。

しかしながら、日本の大工の仕事は違います。垂直方向に長く貼りますので、上から下までジョイントが通ってしまいます。

また、2.7mの高さの吹抜けのようなところは、長さ2.4mのボードでは長さが足りませんから、2F床を組んである厚さ30cmくらいの部分(青い斜線部分)を継ぎ足して貼ります。

2F床組みと1F壁との接合部に、丁度ボードのジョイントも持ってくるのですから、更にこの部分にクラックが生じるリスクが大きくなるのです。

本場のドライウォーラーは、この部分にジョイントがくるのを避けて、1F壁の腰あたりに高さ30cmのボードを足していきます(赤い斜線部分)。そうすることで、少しでもクラックのリスクを減らそうとしているんですね。

あなたなら、ドライウォーラーと大工、どっちに仕事を頼みますか?いつまでも美しい壁と割れやすい壁のどちらがいいでしょうか?

家づくりの仕事は、何でも気遣いと工夫です。私たちの考えや建築に共感され、施工を希望される方は、ご相談下さい。

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