お知らせ : ページ 343

冬場を前に屋根裏を点検しましょう!

アルミクラッドの木製輸入サッシなのに、ガラス付近が結露を起すという輸入住宅(木造2x4工法)にお住まいのお客様から、屋根裏の状況写真を撮ってもらいました。

屋根を支える屋根垂木(たるき)と呼ばれる材木と屋根材の下地となっている構造用合板と接する部分に黒い染みが出来ているのが分かりますか。また、垂木には水が流れたような跡がありますし、垂木の一番高いところが更に黒くカビて変色している状況です。

こうした状況は、普通雨漏りと勘違いしがちですが、実際は室内の暖かい湿気のある空気が屋根裏まで上昇して、寒い冬の屋根付近で水分に変化することで発生する結露の場合が殆どです。その証拠に夏場はいくら湿気が多い空気であっても、屋根裏が水(雨)で濡れている状況はありません。(湿気でジメジメはしていますが・・・)

こういう場合、暖かい空気を外に放出できる換気棟を必要量設置することで解消することが可能です。

ただ、このおうちの場合、グラスウールの断熱材が密閉された袋に入っていない露出した状況ですから、湿気や水分が中に入って使いものにならないかも知れません。恐らくこの断熱材は、24時間の換気装置を屋根裏の熱からカバーする為に設置されたものなのでしょうが、アルミの気密袋に入れている意味がなくなっています。

まあ、私たちならセルロースや天然羊毛を断熱材に使いますから、吸放湿作用を働かせる為に逆に断熱材を極力露出させますが・・・。

何れにしても、このまま屋根裏の結露を放置すれば、合板や垂木、断熱材が傷んでしまい、交換を余儀なくされますから、早めに対策をしなければなりません。こういう住宅は、実は日本に相当多いというふうに思っていますので、機会があれば小屋裏を覗いてチェックして下さい。

この問題は、木造でも軽量鉄骨造でも起こります。発見が早い今なら、少しのカビや染み程度の汚れだけで済むかも知れませんよ。結露や換気の問題等でお困りの方は、お問い合わせ下さい。

<関連記事>: 屋根裏に結露はありませんか? (2016年7月16日)
<関連記事>: 費用は掛かるが、壊さずに済みますよ (2018年2月6日)

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木製サッシの窓枠の劣化

これは、ウェンコ(サミット)社製のダブルハング・サッシ。上げ下げ窓の上窓(アッパー・サッシュ)の写真ですが、ボトム・フレーム(下枠)が全体的に黒ずんでいるのが分かりますでしょうか。

ちょっと逆光で見にくいとは思いますが、室内の湿気による結露というよりは、屋外の雨水が侵入して木枠を徐々に劣化させたとみるのが、正しいと思います。

アルミクラッドの輸入木製サッシですが、アルミ部分の納め方には2種類のものがあるようです。1つは、Roll-out タイプ。これは、木製サッシおよび窓枠の表面にアルミが巻き込んでいるタイプです。

Roll-out タイプのアルミクラッドは、窓枠や建具の木製フレームの屋外側にアルミ板を直接張り付けた状態になっています。こうすれば、木製窓が風雨に曝されることもありませんし、錆びないアルミで覆われているので、いつまでも美しさが保たれると考えました。

しかしながら、アルミ・カバーは一体成型されている訳ではありませんから、必ずアルミの板同士が接するつなぎ目が存在します。また、アルミでカバーされた部分と窓ガラスとが接する部分も存在します。アルミ枠のつなぎ目や枠とガラスとが接する部分の防水コーキングが悪くなると、雨がアルミの内側に入り込んで、木部で内部結露を起こします。

その水分は表面張力によって内部に留まりますから、木のフレーム内部に全て吸収されて木製部分が腐ってしまいます。Wenco(Summit)を含めて問題のある多くの輸入サッシは、Roll-out タイプのアルミクラッドであるのと、雨仕舞い(防水処理)の問題で木製部分が腐るというクレームが大量に発生しています。

そして、アルミクラッドでもう1つの種類が、Extrusionタイプ。こちらは、アルミを押し出し加工し、木製窓枠の外側にアルミの窓枠がもう1つ取り付いたようなデザインで窓が造られています。

こちらの場合、アルミが本体の木に接する部分が少なく、厚みのあるアルミの部分を越えてこないと水分は木部に到達することがありませんから、比較的リスクは小さくなると言えます。

勿論、こうしたアルミの納め方によってだけでなく、それ以外のサッシの構造的な部分も関係しますから、一概にExtrusionタイプなら安心という訳でもありません。こうした問題の多くは、雨の後に窓を全開したり、日頃窓の防水を気に掛けたりしていれば、コーキングなどで雨の侵入やそれによる劣化を食い止めることが可能です。

ただ、そういうことを輸入住宅ビルダーの誰一人として教える人間がいなかったですし、そういう文化を理解していない日本人が、格好だけで闇雲に輸入サッシを取り入れたことに問題があったと言えます。

木製の輸入サッシは、見た目も美しく国産サッシにはない性能やデザイン性がありますが、何も手入れしなくていいという間違った理解では長持ちしないことを皆さんも忘れないで下さい。

木製の輸入サッシでお困りの方は、お問い合わせ下さい。窓やドアの修理・メンテナンスの概要は、リペア&メンテナンスのページをご覧下さい。

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ファイバーグラス製輸入ドアの木目塗装

サーマトゥルー(Therma-Tru)、ピーチツリー(Peachtree)、メソナイト(Masonite)、トリムライト(Trimlite)など、最近の輸入住宅の玄関ドアは、表面がファイバーグラス製のものが多くなってきました。

以前は、木製のものこそ輸入住宅のステータスといった感じがあったのですが、日に焼けたり風雨に曝されたりして木の表面が劣化してしまうという問題で、劣化の少ないファイバーグラス製の玄関ドアが用いられるようになったという訳です。

でも、ファイバーグラスって、実はFRPのパネルで出来ていて、何もしなければただのプラスチックの板にしか見えないのです。

そこでアメリカ人たちは、木目の表情をパネルに付けて、そこにステインで塗装をするという方法を編み出しました。上の写真は、玄関ドアのパネルに塗装をしている途中ですが、塗装した所と未塗装の所とでは全然違いますよね。

これだけ美しい木目だと、普通の人は全く木だと思ってしまいます。

でも、こうした塗装を施すには、熟練した技術とノウハウ、十分な作業時間が必要となります。勿論、専用の塗装キットがないと、同じようには出来ません。

ただ、木目と言っても塗装であることに変わりませんから、10年くらいで塗装の塗り直しやメンテナンスが必要となります。塗装が剥げた状態では、せっかくの輸入住宅の顔が台無しですからね。

ファイバーグラス製ドアの塗装や塗り直しについては、ホームメイドにお問い合わせ下さい。玄関の木製ドアのメンテナンスについても相談に応じますよ。

窓やドアの修理・メンテナンスの概要は、リペア&メンテナンスのページをご覧下さい。

<関連記事>: 輸入の玄関ドアを塗り直そう! (2014年9月17日)

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レンガの家の外装メンテナンス

会社を興して最初に建てさせて頂いたレンガ積みの輸入住宅、愛知県東海市のF邸。もう13年も前になるんですねぇ。そのことだけでも感慨深いものがあるのですが、私たちがレンガ積み外壁の家で初めて外装まわりのお化粧直しをする最初のおうちとなりました。

現在はこのように足場を立てて、輸入サッシの窓周りや軒などのサイディング部分の防水コーキングをしたり、窓上のアングル鉄筋の塗装を塗り直ししたりしています。

レンガ積みですから、外壁は新築当時と全く同じで何ら修復するようなところはありませんし、屋根も40年の耐久性があるカナダのアスファルト・シングル材を葺いていますから、現状を点検するだけとなっていますが、それ以外の外装はちゃんと見てあげる必要がありますね。

また、ペアガラスの中に雨水が入り込んでいる窓もあるので、ガラスの交換手配も進めています。Willmar(ウィルマー)社のアルミクラッド・サッシですが、この時代の製造ロットの一部でペアガラスの曇りの問題が出ているようです。

ただ、こうした輸入サッシでも、窓への雨の侵入を早期に発見し対策を施しておけば、こういうタイミングでちゃんとメンテナンスすることが可能です。長年住んでいれば、何某かの問題が発生するものです。そう、永遠にノーメンテナンスなんてことはあり得ません。

問題を放置し何も対策をしておかなければ、きっとこの家の窓も木部が腐り、構造体にまで影響するようなことがあったかも知れません。だから、お客さんとビルダーとの長いお付き合いって、本当に大切なことなんですよ。

それにしても手の掛かる子(家)は、かわいいものです。こうした私たちの考えや建築に共感され、施工を希望される方はご相談下さい。

このおうちの概要は、「レンガ積みの家 憧れの洋館 ~F邸~」へ。

窓やドアの修復・メンテナンスの概要は、リペア&メンテナンスのページをご覧下さい。

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窓からの漏水

窓から雨が入ったという話は結構頂くのですが、そのうちの半分以上が何故かハメ殺し(FIX)の窓。ハメ殺しの窓は、可動しないサッシのことですから、開閉に伴う振動や力の影響を受けないはずです。

でも、何故か雨漏りしちゃったって話が多いんです。

この輸入サッシは、ペラ社という窓メーカーのアルミクラッド・サッシ。ボウ・ウインドウと言って弓型に弧を描く輸入住宅らしいデザインの窓です。

そのうちのハメ殺し窓の1枚が、このようにアルミの建具枠のコーナー部分が開いています。こんなに隙間が開いていると、そりゃ雨水は入ってきますよね。

16年くらい前に施工された窓ですが、室内側の木部が相当傷んできているのに、今まで誰もこれに気付かないなんて不思議です。この傷みが、最悪木造の構造体にまで及んでいたら、大変なことになりますよ。

恐らくこの窓1枚を外して交換することになると思いますが、建具(サッシュ)だけでなく窓自体の木製フレームにも問題が生じていないかが心配です。こればかりは、建具を外してみないと分かりませんが・・・。

輸入サッシのメンテナンスでお困りの方は、お問い合わせ下さい。窓やドアの修理・メンテナンスの概要は、リペア&メンテナンスのページをご覧下さい。

<関連記事>: ペラのサッシを交換しました (2015年4月6日)

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各社で違う輸入ドア・ラッチ

昨日、ドアノブ・メーカーが違うと、使われているラッチの形状が違うという記事を書きましたが、実際にラッチを見てみましょう。

並べてみたのは、Kwikset(クイックセット)、Weiser(ワイザー)、そしてTaymor(テイモア)のドア・ラッチ。どれもフェース・プレートが頭の部分に付いたタイプを比べてみましたが、フェース・プレートがないドライブ・イン・ラッチも各社用意をしています。

全体的な形状としては、どれも同じ大きさではありますから、輸入のドアに開けられたノブ穴にはどのラッチでも挿入出来るようになっています。ただ、ドアノブとラッチとでメーカーが違う場合、部品の互換性はあまりないと考えた方がいいでしょう。

それは、ドアノブ(ドアレバー)を回すと回転するトルク・プレート(回転軸)の形状が各社で異なっている為、トルク・プレートが差し込まれるラッチの穴もそれに合致したものでなければならないのです。

つまりドアノブとラッチは、同じメーカーのものを使うのが、輸入のドアノブでは基本となります。こういうことを知らないと、消耗品のラッチを交換する時に全然ドアノブに入らないなんてことも起こります。

輸入住宅にお住まいの皆さん、どうぞ気を付けて下さいね。ラッチが壊れたら、すぐに交換出来ないかも知れません。そういう場合は、セキュリティで不安を抱えることになりますから、ドアの開閉がおかしいと感じたら、私たちのようなビルダーに相談して部品の準備をしてもらって下さい。

殆どのビルダーさんは、自社で部品の在庫を持っていませんから、すぐに取り付けしてもらうという訳にはいきません。北米から取り寄せる場合、輸入費用が比較的少ない船便なら2ヶ月、費用が掛かっても早く欲しいというなら航空便で2週間必要です(あくまで、メーカーに在庫があればの話ですが・・・)

因みに、これら以外にも北米の輸入ドアノブ・メーカーは、Schlage (Dexter)やEmtek、Baldwin、EZ Setなんて会社もあります。

<関連記事>: 古い輸入住宅のドア・ラッチ (2019年2月23日)

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どんなドアラッチでも付けられるとは限らない

先日、名古屋市の輸入住宅に住むお客様から玄関ハンドルのラッチ(バックセットとも言う)が壊れて、ドアが開けられなくなったという連絡を頂いた。

そこのドア・ハンドルは、Taymor(テイモア)社という北米のメーカーのものでしたが、取り敢えずいくつか在庫のものを持って、メンテナンスに伺った。

不具合は、ドア・ラッチ内部のバネの問題のようで、簡単にはラッチをドアから外すことが出来なかったのだが、ご主人の協力もあって何とかラッチを壊してドアを開けることに成功した。

その後、持参したラッチをいくつかドア・ハンドルのトルク・ブレードと呼ばれる回転軸に差そうとしたのですが、どれも形状が合いません。

そこで仕方なくドア・ハンドルの装着を諦めて、別のメーカーであるWeiser社のドアノブを仮に付け替えることとしました。だって、このままでは防犯上問題がありますからね。

その後、Taymor社の玄関ドア用ラッチがアメリカから入荷しましたので、取り置き頂いていた既存のドア・ハンドルと一緒に、輸入したラッチを取付けました。

こういう部品もドアノブ・メーカー間で統一してくれると助かるのですが、致し方ないですね。それにしても、ドア・ラッチ如きの輸入資材でも学ぶことはたくさんあるものですね。

ドアやドアノブでお困りの方は、お問い合わせ下さい。
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アンダーセン TW 窓バランサー交換

岐阜市のお客様から輸入サッシ アンダーセンのメンテナンスのご依頼を頂いた。上げ下げの窓を開けても、少し下がってきたり、上窓が固くて下がらなかったりという不具合があるというものでした。

写真を送って頂いて確認した処、Andersen社のTilt-Wash Double-Hung Window(ティルトウォッシュ・ダブルハング・ウィンドウ)というタイプの上げ下げ窓です。

以前アンダーセン社が製造していたダブルハングは、上枠内に装着されたバランサーから伸びた糸で建具(サッシュ)を吊り下げて開閉をやりやすくするというものでしたが、この窓は新しいタイプのダブルハングで、バランサーの糸が露出していないのが特徴です。

また、名前の通り、建具を室内側に倒すこと(チルト)が出来、外側の窓ガラスの掃除などがしやすくなっているのです。メーカーによっても、製造年代によっても、窓の開閉方式は様々です。当然、使用されているバランサー自体や交換方法も違います。(アンダーセンのTW窓でも、200と400シリーズで全く違います)

そういった知識や経験を多く持っている輸入住宅ビルダーなら、建てた後のメンテナンスも安心です。価格以上にそういうビルダーとの出会いが、家づくりには大切です。

こうした私たちの考えや建築に共感され、施工を希望される方は、ご相談下さい。窓やドアの修理・メンテナンスの概要は、リペア&メンテナンスのページをご覧下さい。

<関連記事>: アンダーセンのバランサー交換 (2014年10月1日)

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結露で黒ずんだPella社製掃出しサッシ

輸入住宅好きの方であれば、日本でも知っている人は多いペラの輸入サッシ。ペラが有名なのは、何と言ってもアルミクラッドの木製サッシでありながら、日本の防火基準をクリアした数少ないサッシであるということですね。

だから、準防火地域でも難なく使えるという訳です。Pella Windowsの成功を受けてか、Marvin等の輸入サッシでも防火認定を取得するようになりましたが、先鞭を付けた点でペラの功績は大きいでしょう。

そんなペラのサッシですが、この輸入住宅では窓ガラスに付いた結露でその周囲の木部がこのように劣化を起してしまいました。外部の雨水の侵入が原因で木製サッシが劣化することは多いのですが、室内側の結露で劣化してしまうというのはあまり例がありません。

昨日、スラブ・コンクリートで床下地を施工した場合の問題点について記事に書きましたが、この家はまさにスラブ床の上にフローリングを張った室内だったのです。

私が伺った際は、それ程湿気を感じませんでしたが、冬場になると2階の床まで結露してしまうらしいのです。それは、2階の床の直下が玄関ポーチの天井になっていて冷たい外部の熱が2階に床に伝わって、温められた室内の湿気が床の部分で水分に変わってしまうからなんですねぇ。玄関ポーチの天井内には全く断熱材が入っていませんでしたので、セルロースのような湿気をコントロールする断熱材を入れてやれば、その効果は大きいはずです。

吸放湿性のある木のような自然素材を多用する輸入住宅であっても、どんどん湿気が供給される状況にあっては全くその素晴らしい性能が発揮出来ません。まずは、この湿気による結露を抑える対策を練って、その上でティンバー・ケアを塗るなどして、劣化した木製窓のメンテナンスをしてあげる必要がありますね。

そうすれば、家族の皆さんもシックハウスにならず健康に暮らして頂けますし、この窓も長く使って頂けるはずですよ。

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床下空間のない家は、シロアリや湿気に注意!

普通、住宅というものはコンクリートで出来た立ち上げ基礎(布基礎)の上に壁(柱)を立てたり、床組みを載せたりして構造体を造ります。最近は、ベタ基礎と言って耐震補強された鉄筋入りのコンクリートで床下全体を覆ってしまってから、その上に立ち上げ基礎を載せる工法を施工するのが一般的になりつつあります。

いずれのやり方にしても、床下では基礎のコンクリートが露出していて、人が入れるだけの通気空間が取れています。

でも、図にあるように布基礎の床下側に土を入れて、布基礎の上端近くを土間コンクリートで敷き詰めたスラブ工法では、床下には通気空間は取れません。つまり、空気の流通が全くないのが、スラブの特徴でもあるのです。

スラブ床は、土地の地熱が直接家に伝わるように考えられた工法ですが、布基礎とスラブ・コンクリートは一体成型では造られていませんから、その間に割れや隙間が生じます。そこから土の中に巣くっているシロアリが、侵入してきたらどうなるでしょうか。

私が以前営業マンとして勤めていた工務店でも、そういう問題があることを工務や社長が知らずにスラブ床を施工した時があって、私自身が痛い思いをしただけでなく、お客様にも迷惑を掛けてしまったという苦い経験があります。(普通ならこういう話は伏せておきたいところですが、世間にこういう問題を公開することで、誰かの役に立つかも知れないという思いで書いています)

図の場合、布基礎の周囲をポリスチレンの断熱材で覆っていますから、簡単にそれを食べて上へ上へとシロアリが上がってきます。床下は勿論ですが、基礎の外側のポリスチレンの表面もモルタルで化粧してありますから、侵入を早期に発見することが難しいのです。

スラブ床は、地面の湿気が室内に直接入り込むという性質もありますから、湿気の多い場所で施工するには問題があるのです。ポリエチレンの防湿フィルムを張ってはありますが、薄いビニールですから、必ずいつか破れてくるというのは誰の目からも明らかです。

また、床下の上下水やガスの配管のメンテナンスがほぼ不可能というのもスラブ床の欠点でもあります。

土地の湿気が少ない地方で、建物の周囲にシロアリのコロニー(巣)が存在しない敷地で、壁からインフラの配管を取り入れているという住宅なら、問題はありませんよ。でも、そんな家が、日本のどこにあるのかを私は知りません。

シロアリや湿気・結露・カビの問題でお困りの方は、お問い合わせ下さい。何らかのベターな解決策を見出すべく、一緒に対応を考えますよ。

<関連記事>: 床下環境のない家は、要チェック! (2011年6月30日)

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