これからのメンテナンスをどう考えるのか?

これからのメンテナンスをどう考えるのか?

山梨県のお客様から輸入の掃出しサッシ(スライディンパティオドア)のロックレバーが欠損してしまったので、部品を調達したいという相談がありました。

窓メーカーがどこかは分からないのですが、写真を見る限りロックレバーやドアハンドルの入手は可能なものでした。

ただ、アメリカからの調達となると、思った以上に費用が掛かります。

まずアメリカは徐々にインフレが進んできていますが、日本は30年近くデフレの状態が続き、昔と比べると価格差が倍以上になっています。

そして、30年前は1ドル80円程度だった為替レートが、今や147円にまでなっていますから、やはり円の価値も半分程度になっています。つまり、この段階で30年前と比べて日本での価格が4倍にもなっているということを計算しなければいけません。

それに加えて、アメリカからの輸送コストやアメリカの仲介業者の手数料といったものを考えると、例え小さなロックレバーと云えども日本への輸入価格は万単位になる状況です。

ただ、日本人は井の中の蛙ですから、世界の常識から相当ずれた考えをしているようで、未だに1,000円もしないくらいで手に入ると思っているのが実情です。(ある意味受注生産品ということも、分かっていないと思います)

ですから、今回のお客様も見積価格にビックリして、購入をキャンセルしたいという連絡を頂きました。まあ気持ちはよく分かりますが、今後の家の修理やメンテナンスを考えた時高いなら直さないという選択肢が可能なのでしょうか。

それとも、安い価格で提供してくれる会社が他にあると考えるのでしょうか。

昨今、輸入サッシやドアを販売していたいくつかの商社も、販売やサービスからの撤退を表明しています。(数日前、高級輸入サッシのローウェン(Loewen)の国内販売の代理店をしていた処も、サービスからの撤退を表明しました)

私たちだって、いつまで輸入住宅のサポートを続けられるかは分かりません。価格よりも何よりも、まずは修理・メンテナンスが出来る時にちゃんと直してくれる人間がいるということに感謝する気持ちが大切です。

その上で無理な操作をしたり不具合を放置したりせず、早めに調整や手直しを行うように心掛けることをするべきです。

輸入住宅は安いという時代ではありません。新築よりもその後の維持管理にはお金と相当の覚悟が必要だということを覚えておいて下さい。

その為にはまず専門知識のある輸入住宅ビルダーと信頼関係を築き、その関係を長く続けていくことがキーになるような気がします。皆さん、茹でガエルになってはいないですか?

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