基礎の外断熱は非常に危険

基礎の外断熱は非常に危険

岐阜県のお客様の処で、シロアリ被害の改修工事を行っております。

新築した当時の図面もなく、構造もよく分からない中でほぼ手探りの状態で、どうしたらシロアリの被害を食い止められるか、そして将来の被害を予防出来るかという問題に取り組んでおります。

当初は玄関ポーチの上にあるバルコニーの床がフワフワしているということに端を発し、バルコニーの壁や床を剥がしてみたら、水が入り込んでシロアリの食害も確認出来ました。

単なる雨漏れが原因で、シロアリを誘引したのかというふうに考えたのですが、シロアリがどこから入り込んでいるのかがはっきりしません。

ただ、このおうちの床下は空間がない構造(スラブ床)になっていることが分かっていましたから、立ち上がり基礎(布基礎)と床下に張った薄いコンクリートとが接する部分に亀裂が入ってそこからシロアリが上に上がってきたのかと考えていました。

でも、それだけでここまで大きな被害になるのか、ちょっと疑問にも思っておりました。(シロアリ駆除は、何度か行っていたようです)

そこでお客様が新築工事の様子を撮影した写真を見せてもらった処、建物の立ち上がり基礎の外周に断熱材のスタイロフォームが隙間なく張ってあることを発見しました。(尚、スタイロフォームの表面には「シロアリ駆除済」と記載がありました)

建物の外壁よりも基礎が大きくはみ出しているので、どうしてこんなに幅広の基礎を作ったのか疑問に思っておりましたが、厚さ50mm以上のスタイロフォームが張ってあって、そこの上に仕上げの化粧モルタルを塗ってあったということでした。

スタイロフォーム自体は何の栄養もありませんが、発砲スチロールのように柔らかいので、どんどん食べてそこに蟻道を作るなんてことが簡単に出来てしまいます。それも化粧モルタルで覆われていますから、いくら食べてもお客様には何も見えません。

食べられて穴が明いたスタイロフォームを一部外してみたら、シロアリの蟻道は立ち上がり基礎とスタイロフォームとが接する面で土の中から土台の木へとつながっていました。勿論、そこには小さなシロアリたちが動いているのも確認出来ました。

将来シロアリの被害をなくす為には、土にいるシロアリが侵入する経路を遮断することが最も大切です。その上でシロアリが食べづらくなるような施工や仕事を施すことで、更なる被害を止められるかも知れません。

尚、シロアリ駆除業者は何度もここで仕事を行っていましたが、全く被害を止められませんでした。原因調査もしないで薬を撒くだけの駆除は、住人に健康被害があるだけですから、反ってやらない方がましだと思います。

<関連記事>: 基礎断熱のシロアリ被害 (2023年11月4日)

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