間違った施工をしてからでは、結構仕事は大変です

間違った施工をしてからでは、結構仕事は大変です

先日、三重県の方から、輸入住宅のドライウォール工事だけをホームメイドで請け負ってやってもらえないか、という依頼があった。聞くと、そちらの塗装屋さんではドライウォールの経験がなく、オレンジピールというテクスチャ(模様・表情付け)の仕事も分からないらしい。

見積をするにも一度現場を見てみないと分からないと思い、名古屋から津まで約1時間半を掛けて行ってきました。

ここの現場のお施主は、ドライウォールについてNETなどで結構詳しく勉強されたようで、石膏ボードはテーパーのものを使ったり、天井はレンガ目地で張ったりして、ところどころドライウォールに必要な施工を施工業者に指示したそうな。でも、部分的に正しい施工をしても、肝心な部分で間違ってしまうと、将来も美しい内装になるかどうかはなかなか難しいかも知れません。

横向きに張らないで縦張りしたボードの壁や柔軟性のない国産のジョイントパテ、プラスチックのメッシュテープを使用したジョイント処理、ドライウォールの下地施工前に内装枠材を取り付けしているなど、多くの点で材料や施工に間違いが見受けられます。

勿論、テクスチャやパラでの塗装をしてしまえば、こうした点は全て見えなくなってしまいます。もしかしたら、将来のクラックは生じないかも知れません。でも、生じるリスクは、正しい施工に比べれば格段に高くなるのです。

それにしても、この段階からテクスチャや塗装をするのは、結構手間が掛かります。通常なら枠やドアなど内装の仕事を全くやっていない状態で、塗装などの仕事をすることが必要です。でないと、塗料やテクスチャのブツブツが他の部分に飛んでしまいます。だから、こうなった状態では塗装する部分以外に薄いプラスチック・シートやテーピングをして、養生を完全にしてからでしか作業が出来ません。

塗装の施工時は塗料が飛散しますから、クロスを張るような手順での施工では手間が格段に多くなるのです。安易にドライウォールの施工を請け負うとひどいことになるというのは、この点にあるのです。

お客さんのリクエストは多様化しています。それに応える為に、私たち建築屋は常に勉強が必要ですね。ドライウォールについてもっと知りたい人は、下記「ドライウォール」のタグをクリックして記事をご覧下さい。

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