設計だけでは、耐震は語れない

設計だけでは、耐震は語れない

熊本地震、新耐震基準でも80棟倒壊 益城の木造建物(2016年6月30日、朝日新聞社)

熊本地震で震度7を2回観測した熊本県益城町で、中心部に立つ新耐震基準の木造建物のうち7.7%に当たる80棟が倒壊したとの報道がありました。

また、同町内の別地区も含め倒壊した新耐震基準の99棟を調べたところ、少なくとも90棟で柱の接合が現在の基準を満たさず、51棟で柱と柱の間に斜めに入れて壁を補強する「筋交い」の固定が不十分だった。

国土交通省有識者委員会の調査書は「接合部仕様が不十分で、被害を大きくした主な要因の一つと推測される」と指摘した。

これが意味する処は、強化されたはずの新耐震基準というものが、複数回に及ぶ強い地震ではその強度認識が根底から覆されてしまったことと、設計上基準を満たしていると判断されても、適切な施工が行われなければ耐震性は担保されないということです。

確かに耐震基準を更に上げれば、こうした地震にも耐えられるようになるという設計判断もあるだろうが、それは新築時のことであって経年劣化やシロアリ被害は加味されることはないし、その基準を上回るような地震が発生しないとは誰も言えないのである。

当然、施工は最も難しい課題の一つだと思われる。大手住宅メーカーであれば、施工は複数ある地場の協力店の工務店が請け負うことになるから、どこに当たるかは運任せなのだ。

また、メーカーが現場監督を配置しているとは言え、現場に30分もいない状況では殆ど管理は不可能と言っても過言ではない。大手だから心配という訳ではないが、家づくりは信頼出来る人間に任せることが大切だと感じる。

工場で画一的に生産されて、全く同じものが出来てくる工業製品と家とは根本的に違うということを理解する必要がある。地震という人智を超えた自然現象だからこそ、設計や施工に気遣いが必要な時代、地域かも知れません。

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