スマートハウスに暮らしの豊かさを感じるか?

スマートハウスに暮らしの豊かさを感じるか?

スマートハウスは、IT(情報技術)を使って家庭内のエネルギー消費が最適に制御された住宅と定義される。昨年から家電メーカー、家電量販店、自動車メーカーを巻き込んで、大手住宅メーカーが販売促進のメインテーマとしてこれを掲げるようになった。

これに引きずられる形で、地方の建築家や中小工務店でもこれを売りにしていこうという動きが始まりつつある。だが、スマートハウスは、本当に住み手に豊かな暮らしをもたらしてくれるのだろうか。本当は、売り手側だけが作り出そうとしているトレンドなのではないだろうか。

確かに、省エネな住宅は、家計にとって支出を抑える一つの手段である。また、外出先からおうちをコントロール出来るなど、便利なことも多くなるでしょう。そういった意味で、現代の技術を駆使して環境に貢献する社会を実現出来るかも知れない。

だが、家の本質やテーマが、「省エネ」となることは未来永劫あり得ない。家の本質は、そこに暮らす家族が楽しく快適に暮らせる環境を守ること。また、家族の生命や財産を守り、蓄積すること。そうすることで、家自体が財産としての価値を持つこと、であるべきだ。

IT技術は、決して本質を改善するものでなく、あくまで脇役として主役を少しでも引き立たせるものでしかない。主役が素晴らしいものであれば、脇役も活きると思うのだが、今の日本の住宅は言わば大根役者でしかない。平均築年数25年でお役御免になってしまう主役なのだから、100年頑張る息の長い名優とは言いがたい。

主役を育てる為に、まず国策としてやるべきは、工学部から芸術学部出身の建築家へ変えていき、普遍的なデザインを追究すること、欧米の長寿命の住宅を研究すること、施工性や利益率を優先した素材から、愛着を生むデザインや自然サイクルに合致した自然素材の建材で建築すること、ではないだろうか。

そうやって家づくりをすれば、建て替えサイクルが長くなり、解体ゴミが大幅に減少するから、スマートハウスの目的でもある「環境負荷の低減」が図られる。住宅を家電化する以前に、住宅業界がやるべきことは、ここである。住宅だけでなく、日本の製品が売れなくなったのもそこらへんにある気がする。

これから家づくりをやりたいと考えている皆さんは、どう思われますか。私には、本質から目を背けて、別のものでごまかすやり方は出来ません。

用語解説:「スマートハウス

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