屋根の塗装が必要なのは、日本だけ

屋根の塗装が必要なのは、日本だけ

塗装が劣化してきているカラーベストの屋根。本来は、黒い色をしていたのだが、錆なのか苔なのか、屋根が茶色に変色して雨で筋状に跡が付いている。(光が反射して、写真が見にくくて済みません)

また、本来白かった軒下の部分も、黒く変色しているのが見受けられる。このおうちは、築20年近くが経っているらしいが、今まで一度も屋根の塗り替えをしたことがない。

カラーベストとかスレート瓦、コロニアル瓦と呼ばれるものは、板状のコンクリートの表面に防水塗装を施してある屋根材です。屋根材の防水の為に塗装するという製品は、世界的に見てもここ日本だけと言ってもいいでしょう。

戦後、高度成長期と共に誰もが一戸建てを買うのが一般的になって、爆発的な需要に対応する為に早く製造出来て安価なコンクリートの屋根材が開発されたのです。世界のどこにもない製品で、尚且つそれが広まっていない理由は何なんでしょうか。それは、屋根材としてはデメリットが多いから以外、理由はないと思います。

コンクリート瓦は、普通の日本の瓦のように高温で焼いて作っている訳ではないですから、粘土が熱で溶融して結合した陶質素材と比べて、水分を通しやすく割れやすいのです。

また、塗装というものは塗膜自体が1mm以下の厚さですから、強い太陽光線や風雨に曝されれば、10~15年以上の耐久性は期待出来ません。特に垂直面である外壁よりも屋根はまともに当たってきますから、長期間塗装の劣化を防ぐというのは不可能なのです。

まあ、そうは言っても一旦施工されてしまったものは、維持管理していくしか方法はありません。カラーベストでも10年毎に塗り直しをすれば、60年は持つということが言われていますから、毎回足場を掛けたり塗装面を洗ったり、塗装したりする費用を掛けてでもメンテナンスをしていかなければなりません。

当時は、北米のアスファルト・シングル屋根材や薄い粘板岩で作られた天然スレートの屋根材なんてものは、一般的ではなかった時代ですから仕方ないですが、今でも安価で施工が簡単という理由でカラーベストが多く使われているのをみると、ビルダーが本当にお客様の利益を優先しているか疑問ですね。

あなたなら、どんなビルダーに建築を依頼したいと思いますか?そして、どんなビルダーにお願いしたかったですか?

住宅について皆さんは素人だと思いますが、どこの住宅会社でも素材や施工について深い知識や考察を持っていると考えるのは、大きな間違いだということを覚えておいて下さいね。こうした私たちの考えや建築に共感され、施工を希望される方は、ご相談下さい。

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