防火サッシの2014年問題をご存じですか?

防火サッシの2014年問題をご存じですか?

国内サッシメーカーのお抱え団体であったカーテンウォール・防火開口部協会(カ防協)が、包括的に全ての防火窓を書面のみで防火認定品として適合審査をしていた処、2010年にこれらの防火性能が国土交通大臣の認定基準を満たさないことが判明した。(このニュースの詳細については、以前の記事をご覧下さい)

つまり、防火地域や準防火地域に建っている建物のアルミサッシの殆どは、十分な防火性能を有していない。

この件について、消費者がサッシ・メーカーや住宅会社に対して、訴訟やリコール請求を起こさなかったことは驚きだったが、来年以降に施工される防火サッシに再び脚光が当たることになる。

この問題に対し国交省は、経過措置として今年の12月末までは現行の包括認定品の使用を認めるが、2014年からは個別認定品への切り替えを義務付けている。各サッシメーカーが直接、製品毎に個別の試験を受け、「個別認定」という方法で大臣認定を取得しなければならないのだ。

現行品では防火性能がないことが分かっていたものを、耐火し得るものにしようというのだから大変だ。知り合いのサッシ屋さん曰く、防火サッシの価格は、従来の2.5倍程度に跳ね上がるのではないかと・・・。

勿論、防火地域や準防火地域ではない場所でこのようなサッシを使う必要はないし、同地域であっても「延焼の恐れのない部分」であれば通常のサッシを施工出来る。

最近、外壁に窓がないまっ四角(キュービック型)のローコスト住宅が流行っているが、窓を付けないことで防火の問題を回避しようという思惑がみてとれる。

但し、全く外からの光が入らない閉塞環境は、精神衛生上相当のストレスとなる為、防火の影響を受けない天窓(トップライト)を設けるようにしている。ただ、標準仕様は開かない天窓のようだし、建築確認を行う検査機関によっては天窓を防火規定の対象とするといった対応のところもある。なので、全ての問題をこの住宅の仕様でクリアすることは難しいでしょう。

私たち ホームメイドの輸入住宅では、網なしのガラスや断熱性が優れた樹脂や木製のフレームでありながら、個別認定を取得した輸入(又はOEM)の防火サッシを既に使っているので、こうした問題とは無縁ですが、今年の年末くらいからマスコミにも取り上げられるかも知れませんね。

昨日、消費税8%への増税のニュースが発表されましたがその陰に隠れて防火サッシの問題が現実化してくることをお忘れなく。

でも、2,000度にもなる火災に遭えば、窓のガラスなんて何れ溶けてしまうでしょうから、本当は防火認定なんて無駄な話だと個人的には思っています。だから、建築基準法が全て正しい訳ではないですよ(笑)・・・個人的な意見ですが・・・。

だって、こんなサッシを使わなければいけない国なんて、世界中見渡しても存在しないんですから。世界の高品質なサッシの輸入を出来ないようにする、非関税障壁とも言えるかも知れません。また、防火認定の為に窓枠に金属フレームを採用すれば、熱が伝わりやすくなって結露問題の発生や断熱性の大幅な低下を招くことを忘れてはいけません。(だから、ビルやマンションの国産サッシは、性能がひどいんですよねぇ)

それにしても、こうした情報を公開する住宅メーカーが殆どいないということは、悲しいことです。これじゃあ、いつまで経っても信頼される存在にはなれないですよね。

こうした私たちの考えや建築に共感され、施工を希望される方は、ご相談下さい。

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