こういう玄関ドアの処は、意外と多い

こういう玄関ドアの処は、意外と多い

寸足らずのラッチストライク

これは、輸入住宅の玄関ドアのドア・ラッチの受け金物を撮った写真です。

右端に見える黒いゴムのようなものは、気密パッキン材のウェザーストリップ。

ですから、左側が屋外側ということが分かりますね。通常、ラッチ受け(ラッチ・ストライクと呼びます)は、ドア枠よりも少し屋外側に飛び出していて、ラッチの爪がドア枠に当たらないように施工されているのが一般的。

でも、こちらのおうちのように、ドア枠の外側に付ける飾り枠のブリックモールディングが、ドア枠面と全く同じ位置に付いています。こうなると、ラッチ受けがブリックモールディングよりも内側になってしまいますから、ラッチの爪がラッチ受けよりも先にブリックモールディングに当たってきます。

いわゆるラッチ受けの寸足らず状態です。

そこで苦肉の策を考えたのか、ドア枠やブリックモールディングの木を削ってラッチ受けを何とか取り付けて、更に爪が通過するところには薄い鈑金を入れてあります。

そうすることで、ブリックモールディングの木枠を傷めることなく、ドアが閉まるように工夫したようです。ただ、こうした納まりは見た目に悪く、あまり感心出来る施工とは言えませんね。

ブリックモールディングをドア枠の面より少しずらして付けるだけで、こうした変な仕事はしないで済むのですが、輸入住宅ブームの際に初めて施工したという住宅メーカーや工務店は、マニュアルも見ず勉強もしない状況で施工したという感じだったと思います。

こんな施工を何とか修正する方法は、2つあります。一つは、位置が違うブリックモールディングを外して、正常な位置に付け直すという方法。これが、最も美しいやり方ですが、大工やペンキ屋さんの手間が掛かります。

もう1つは、ブリックモールディングの外側まであるような長いラッチ受けを取り付けるという方法です。北米ではこうしたラッチ受けも手に入れることが出来ますから、ラッチ受けを交換するだけで改善することが可能です。

ただ、現場に合わせた大きさのものを輸入しなければなりません。その調達時間と海外送料が掛かることを頭に入れる必要がありますね。

まあ、こうした施工をしている輸入住宅は、他にも通常の納まりと違った処があるはずですし、それによる不具合も発生していると思います。やはり、金額のことばかりに気を取られることなく、しっかりした輸入住宅ビルダーの処で家を建てることが、長い目で見たら一番お値打ちな家づくりなのかも知れません。

まあ、それでも懲りずに安い業者で家のメンテナンスをやるお客様がいるというのは、学べない人間の弱さと言えますね。

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