屋根裏及び屋根裏部屋の結露対策(2)

屋根裏及び屋根裏部屋の結露対策(2)

この写真は、何だか分かるでしょうか?

これは、屋根を内側から見たところなんです。写真の中央に写る屋根の野地板(下地合板)。そこに、何やら平べったい台形の形をした長いシートが、ぶら下がっているように見えますね。

これこそ、以前日記に書いた、結露防止用通気スペーサー。実は、これは私の友人が作ってくれたものなんですよ。形状やサイズは、私たちが計画しましたけどね。これを考えるのに、何年も悩みましたが、ご縁なんですねぇ。作れる人がそばにいたなんて。

こうやっておけば、断熱材のセルロースをこのスペーサーの上から高圧で吹き込んでも、スペーサーが合板との間に通気層を確保してくれるのです。外壁の通気層や軒下の通気ボードから上がってきた空気は、この屋根の通気空間を通って一番高い棟へと向かいます。そこには、換気棟という吹き出し口が付けてありますから、そこで外部へと放出されるという訳です。

夏場は、暑くなった屋根の熱を室内側に伝えることなく棟から放出しますし、冬場は室内から上がってきた湿気もこの通気スペースから出してくれます。それは、このスペーサー自身に吸放湿作用があり、室内の湿気を通気層へと導くからです。

また、室内の湿気がスペーサーまで到着する前に結露してしまっては意味がありませんので、自然素材であるセルロースや羊毛の断熱材を施工します。決してグラスウールやロックウールなどの無機系断熱材を施工してはダメですよ。でないと、結露でダニやカビが発生します。(屋根裏を部屋や収納として利用しないのであれば、断熱材やスペーサーは必要ありません。棟換気だけはしっかり入れておきましょう)

屋根裏部屋の結露問題は、このスペーサーがないと絶対に解決できません。断熱材に押されても大丈夫なだけの強度を備えながら、尚且つ吸放湿作用のあるスペーサー。製作サイズの調整など、まだまだ改良の余地はありますが、素晴らしいアイテムです。

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